2015 Fiscal Year Research-status Report
終末期がん患者と家族が共に実施するライフレビューが死別前後の家族にもたらす影響
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15K11631
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
井口 悦子 神戸市看護大学, 看護学部, 講師 (20363476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 志津枝 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (00149709)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | がん / 家族 / ライフレビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
1)本年度の実績 本研究の目的の第1段階は終末期がん患者と家族とともにライフレビュー・インタビューを実施したことが、死別前の患者-家族間のコミュニケーションを含む関係性や家族自身にどのような影響を及ぼしたのかを質的に明らかにすることである。ホスピス・緩和ケア病棟にて、療養中の終末期にあるがん患者と家族、1組を対象にライフレビュー・インタビューを実施した。家族への個別インタビューの結果、本介入の意義として、「時系列に家族の歴史を振り返ることで、どんな家族であったのか、大事にしてきた価値に気づく」、「患者の生きざまや言葉が力になる」、「患者と家族の互いを思い合う言葉を伝える場となる」、「患者の今の自分に対する思いを知ることができる」、「患者にとって自分の人生を振り返る機会になり、そのことを家族も満足する」、「その時々の家族が知らなかった患者の思いを知る」、「患者の曖昧な記憶や言葉が出てこない部分を家族が継ぎ足し、ストーリーになり、共有できる」、「ドキュメントを読むことで出来事の意味を深く考え、言語化する」などが明らかになった。 2)今後の研究の展開 ホスピス・緩和ケア病棟にて療養中の患者・家族への介入を継続するとともに、在宅にて療養中の参加者を募るため、当該施設に協力を依頼する。 さらに、インタビューガイドの質問項目のほかに、患者と家族が何を、どのように語るのかその相互作用、研究者の質問に対する語られ方や内容から、実施準備やライフレビューを促進する質問方法、必要とされるコミュニケーションスキル、留意点についても、分析を同時に進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
終末期がん患者と家族とともにライフレビュー・インタビューの実施は平成27から29年度までの3年間で10名を超えることを目標に計画しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
1)計画通り、引き続きライフレビュー・インタビューを実施していく。 2)参加者を紹介してもらう施設に研究依頼を実施する際に、患者・家族に対する負担が大きいのではないかと危惧されるケースがある。今後は、これまでの結果(インタビュー回数・時間なども含めて)の一部も提示しつつ、依頼する。
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Causes of Carryover |
1)研究成果発表に関わる旅費が発生しなかった。 2)介入数が少なかったため、データ入力等のための予算が未使用となった。 3)購入予定のノートパソコンのバージョンアップの時期を考慮し、先送りした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画通りに研究を進め、介入数を増やし、成果発表を行う。 計画通り、ノートパソコンを購入する。
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