2017 Fiscal Year Research-status Report
治療と就労継続に必要ながん患者の調整力獲得プロセスを促進する看護援助モデルの開発
Project/Area Number |
15K11636
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
廣川 恵子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (50446069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 悦子 神戸市看護大学, 看護学部, 講師 (20363476)
鈴木 志津枝 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (00149709)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 就労 / 治療 / がん / 患者 |
Outline of Annual Research Achievements |
外来通院治療が必要ながん患者が復職し,治療と就労を継続していくプロセスにおいてどのような調整をしているのか明らかにすることを目的とし,がん患者5名にインタビューを実施した。 その結果,対象者は治療と就労を継続していくプロセスにおいて,治療をしながら就労をするか否かだけではなく,自分にとって就労がどのような意味を持っているかを考えていた。また,今までの働き方とは違う新たな働き方を獲得するために,さまざまな工夫や周囲への働きかけを行っていた。復職するまでの間には,職場の重要人物に「病状の開示」や「復職の意思表明」をすることと同時に,自宅で身体を動かすなどして活動耐性を高めて「働ける心身の形成」を心がけ,「復職時期の見極め」をしていた。このように様々な準備をする一方で,先々のことをいくら考えてもその時になってみなければわからないと割り切る気持ちも持ち,「その時に考える」といった気持ちの調整もしていた。実際に仕事をしながら治療をしていくためには,これまでと同じ働き方は難しいことから,オリジナルな通院パターンの確立であった。自分の就業形態,治療スケジュールから,医療機関と職場の両方に「希望を提示」するという調整をしていた。同僚からの気遣いや配慮に対しては,同僚の心情を理解し,その気持ちを無駄にしないといった姿勢を持って,関係性を発展させていた。 治療と就労を継続していくためには多様な調整が必要であり,患者が自分の状況における調整のポイントに気づき力を発揮できるような支援の必要性が示唆された. ここまでの研究成果については,日本がん看護学会第32回学術集会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インタビュー対象者の条件のうち、外来通院での治療が3ヶ月以上継続的に実施されることが予定されていること、治療と就労の継続を希望しており、1ヶ月以内に復職を予定していることに該当する方に、タイミングよくアプローチすることが難しく、インタビュー対象者候補の選定が予定より遅れたため
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Strategy for Future Research Activity |
協力依頼施設を追加してインタビューを継続しており、目標とする対象者数に近づいている。分析も同時進行させており、インタビューのデータ収集が終わり次第、グループインタビューによる看護援助モデルの作成に取り掛かる。グループインタビューの実施準備を分担して進める。
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Causes of Carryover |
インタビュー対象者の選定が予定より遅れていたため。 研究協力施設を増やし、インタビュー実施のための旅費、謝礼の支出をする。グループインタビュー実施のための旅費、謝礼および学会発表ポスター作成の支出をする。
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Research Products
(1 results)