2016 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌患者の職業別リワークプロセスに応じた会話明瞭性アセスメントツールの開発
Project/Area Number |
15K11646
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
大釜 徳政 創価大学, 看護学部, 教授 (50382247)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 口腔癌患者 / 会話明瞭性 / 就業復帰 / アセスメントツール |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、職業別リワークプロセス、会話関連要因、患者の必要とする正常構音と言語に関する記述をアセスメントツールの質問項目として抽出し、質問項目の類似性に沿って構成概念を命名した。会話明瞭性に関する構成概念は、術後3ヶ月の時期における【発語明瞭性の獲得】、術後6ヶ月の時期における【会話効率・正確性の獲得】、術後9ヶ月の時期における【会話流暢性の促進】であった。【発語明瞭性の獲得】は、「舌先と歯茎で隙間をつくって発声する舌尖音 さすせそ ざずぜぞ たてと だでど らるれろ ふを正しく発音する.」「 発音しようとする音が別の音に置き換わることなく話す. (例:めがね⇒めなね)」「発音しようとする音が省略されることなく話す.(りんご⇒りご)」など、10項目が発語明瞭性と高い関連性が認められた。【会話効率・正確性の獲得】は、「会話時間を短くすることで舌の動きの疲労を避けて、会話の正確さを保ちながら話す」「 正しく発声できない言葉の出現頻度を低くするため、会話の内容を短文にして会話の正確さを保ちながら話す.」「非言語的情報(表情・ジェスチャー)を多用することで会話の正確さを保ちながら話す.」など、8項目が会話効率・正確性と高い関連性が認められた。【会話流暢性の促進】は「リズム乱れがなく会話の流暢さを保ちながら話す.」「抑揚の乱れがなく会話の流暢性を保ちながら話す.」「一定のスピードで流暢さを保ちながら話す.」など5項目が会話流暢性と高い関連性が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究協力施設の移転にともない、データ集が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
職業別リワークプロセスの各段階(術後3ヶ月/6ヶ月/9ヶ月)において、会話明瞭性アセスメントツールの信頼性と妥当性を検証するため、次の内容を調査する ①各質問項目の識別性を確認するために、項目分析を行い、分布正規性の確認される項目、歪度、尖度がいずれも±1.5以下の項目を抽出し、相関係数が0.4以下の項目を削除する。さらに因子分析を行い、集積のない項目と因子負荷量0.4以下の項目を削除する。②会話明瞭性アセスメントツールの信頼性の検証:アセスメントツールの信頼性を検証するために、協力施設の対象者から得られた各項目から構成される因子得点、合計得点の内的整合性Cronbach’α係数を求める。③会話明瞭性アセスメントツールの妥当性の検証: a.構成概念妥当性;①の因子分析による因子数をもとに、適切な因子を抽出するために最尤法、プロマックス回転による各因子の解釈と命名を行う。b.基準関連妥当性;本研究で開発するアセスメントツール、研究Aで使用した機器を用いての発語明瞭度調査、会話効率・正確性調査、会話流暢性調査の各得点の相関係数を算出し検証するc. 各施設間、対象者の年齢、性別、家族構成別にアセスメントツール得点を比較し、施設間や対象特性にツールが影響されないことを検証する。
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Causes of Carryover |
調査協力施設の移転に伴い、対象者確保が遅れているため、調査経費がよていの金額に達しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
職業別リワークプロセスの各段階(術後3ヶ月/6ヶ月/9ヶ月)において、会話明瞭性アセスメントツールの信頼性と妥当性を検証するため、調査経費として使用する。
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