2019 Fiscal Year Annual Research Report
Establishing a supporting model based on shared decision-making for healthcare professionals involving pregnant cancer patients and their families
Project/Area Number |
15K11649
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Research Institution | Kansai University of Social Welfare |
Principal Investigator |
堀 理江 関西福祉大学, 看護学部, 教授 (20550411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 志津枝 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (00149709)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 共有型意思決定 / 妊娠期がん / 意思決定支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、妊娠期がん患者と家族が医療者と共にがん治療と妊娠継続に関する意思決定を行う際の、医療者による支援モデルを構築することである。 平成30年度までに、妊娠期がん患者と家族の意思決定を支えた経験のある、看護師、治療医、産婦人科医への個別インタビュー、がん看護専門看護師へのフォーカス・グループ・インタビューを実施し、モデルの素案を作成した。 最終年度となる令和元年度は、モデルの素案について多くの研究者から意見をもらうことで、モデルを洗練した。その結果、モデルにおける意思決定支援プロセスは、「共有型意思決定」の考え方を基に、1段階/意思決定の必要性認識の段階、2段階/治療方針の決定に関わる者が共に意思決定を行うことを認識する段階、3段階/選択肢の提示の段階、4段階/患者と家族の認識を吟味する段階、5段階/意思決定内容について合意する段階からなり、本研究では、新たに、6段階目として、「患者が意思決定内容を肯定的に振り返る評価の段階」が見出された。 さらに、支援モデルにおける看護師の役割として、1段階/妊娠期がん患者と家族のそばにいながら、チームで患者の情報を共有する、2段階/医療者間で情報や思いの共有ができるよう調整する、治療と生活の両面がイメージできる関わりの必要性を認識する、3段階/情報提示内容を把握し、患者を擁護する準備を整える、4段階/患者の意思を伝える力を強化する、家族間の関係性や意見を調整する、5段階/決定が揺らぐことを理解しながら、患者と家族の意思を再確認する、6段階/意思決定したことに患者が納得できるよう支援する環境を整える、が見出された。支援プロセス全体を促進していたのは、「繋がりが途切れないようにする」「医療者間での調整窓口になる」「患者や家族と医療者との情緒的な関係性を構築する」という看護師の役割であった。
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Research Products
(2 results)