2015 Fiscal Year Research-status Report
三陰交への灸刺激が女性の自律神経活動、冷え、月経随伴症状に及ぼす効果の検証
Project/Area Number |
15K11654
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
篠原 ひとみ 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80319996)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兒玉 英也 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30195747)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 冷え / 月経随伴症状 / 体温 / 自律神経活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は研究倫理審査委員会に申請し承認を得た後、32人のデータ収集を行った。対象者の背景は年齢20.7(±3.5)歳、BMI21.4(±3.4)、月経周期30.5(±3.1)日、冷えの自覚がある者が22人(68.8%)であった。 32人の黄体期の修正MDQ得点(月経随伴症状を測定する尺度)は「冷え症」調査用問診表(冷えの自覚測定尺度であり、以後冷え尺度と表す)による得点と正の相関が認められた(r=0.544,p=0.016)が、足底や腹部の深部体温、自律神経活動とは相関しなかった。また、冷え尺度得点と足底や腹部の深部温、自律神経活動との間には関連が認められなかった。これらの結果より、冷えの自覚が強い程、黄体期の月経随伴症状が強いこと、冷えの自覚は体温や自律神経活動とは関連がないこと、体温と自律神経活動との間にも関連のないことが考えられた。今後は、修正MDQ得点の下位尺度得点と「足底温と腹部温との温度差」との関連、自律神経活動との関連について分析する予定である。 また、32人中、三陰交の灸刺激を実施した者は15人であり、一か月間の灸刺激の効果について分析した。その結果、黄体期の修正MDQ得点は灸刺激前に比べて灸刺激後は減少していたが有意差はなかった。足底深部体温は30.5(±4.1)から33.1(±3.8)に有意に上昇した(p<0.0287)。腹部深部体温は有意差はなかったが、36.0(±1.3)から36.5(±0.57)に上昇した(p<0.0831)。自律神経活動ではLF、LF/HFは有意に上昇し(p<0.0158)、HF、SDNN、TPに有意な変化はなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
32人のデータ収集ができたこと、その内15人が三陰交の灸刺激を実施しデータ収集できたことから進捗状況は概ね順調であるとした。現在までのデータを分析し平成28年度の母性衛生学会にて発表する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
三陰交の灸刺激実施者が30人以上になるまでデータ収集を継続する。そして、その結果を分析し論文作成を行う。分析方法は①黄体期の月経随伴症状と冷えの自覚、体温、自律神経活動との関連、②三陰交灸刺激前後の黄体期の月経随伴症状、体温、自律神経活動の変化を明らかにする。
|
Causes of Carryover |
今年度はデータ収集を中心に行ったことから学会への出席が2回であったこと、灸刺激に使用する台座灸が予定より安価で済んだこと、データ収集のための補助者を雇用しなかったことなどにより次年度への使用金額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究代表者:学会参加費(2名×2回、1名×1回)30万、データ収集人件費10万、研究協力者への謝金5万、専門的知識の提供9万、印刷費5万 研究分担者:学会参加費(1名×2回)20万、専門的知識の提供10万、印刷費5万
|