2016 Fiscal Year Research-status Report
三陰交への灸刺激が女性の自律神経活動、冷え、月経随伴症状に及ぼす効果の検証
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15K11654
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
篠原 ひとみ 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80319996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兒玉 英也 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30195747)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 冷え症 / 月経随伴症状 / 自律神経活動 / 三陰交 / 灸刺激 / 体温 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、1)女性の冷え症、月経随伴症状、自律神経活動との関係、2)三陰交への灸刺激が女性の冷え症、月経随伴症状、自律神経活動に及ぼす効果を明らかにすることである。女子学生61名を対象に、①プロフィール、②「冷え症」調査表、③月経随伴症状問診表、④足底部と腹部の体温測定、⑤自律神経活動測定を行った。③④⑤は月経周期の黄体期と卵胞期の2つの時期に実施した。また61名中31名は三陰交への灸刺激を約1ヶ月実施し、その後再度③④⑤を行った。その結果以下のことが明らかとなった。 1)冷えの自覚の有無と各体温(足底表面温・足底深部温・腹部深部温・深部温差)との間に有意差はなく主観的な冷えの感覚は体温とは関係がなかった。2)冷えの自覚がある者の体温は、黄体期・卵胞期ともに環境温度と相関していた。3)冷えの程度が強い者は黄体期の月経随伴症状が重く、「集中力」の低下や「自律神経失調」が起きており「コントロール」の症状が強かった。4)黄体期・卵胞期とも「行動の変化」スコア高値群は下肢の体温が高く、黄体期において「水分貯留」スコア高値群は下肢の温度が低かった。5)卵胞期の月経随伴症状が強い者の自律神経活動は低下傾向にあり、黄体期と卵胞期の月経随伴症状の落差が大きい者は卵胞期の自律神経活動が低下していた。6)冷えの感覚と自律神経活動とは関連がなかった。7)灸刺激により黄体期の足部深部温は有意に上昇した。8)灸刺激により、黄体期の月経随伴症状は軽減し、「痛み」「行動の変化」「否定的感情」「PMS症状」スコアが有意に下降し「気分の高揚」スコアが有意に上昇した。9)灸刺激により自律神経活動は、黄体期HFの有意な低下とLF/HFの有意な上昇がみられた。 以上より、灸刺激は体の冷えや月経随伴症状の改善をもたらすため、女性がセルフケアとして生活に取り入れることのできるツールとなり得ることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
61名の対象の調査を実施し、冷え症と体温、月経随伴症状、自律神経活動との関連がある程度明らかにできたこと、三陰交への灸刺激も31名に実施しその結果、月経随伴症状に対して効果のあることが明らかにできたことから、当初の計画通りに進行していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は結果をもとに、母性衛生学会で発表すること、論文を作成し学会誌に投稿することを予定している。また、灸刺激が火を使うため対象者の中に負担を感じた者がいたことから、火を使わない灸を使用して、再度月経随伴症状との関係を調査する予定である。さらに自律神経活動の測定方法として、一時期ではなく、1日中持続して測定できる方法を検討し、再度、冷え症の自覚や月経随伴症状との関係を調査したいと考えている。
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Causes of Carryover |
データ収集を大学院生とともに行ったためデータ収集のための人件費が不必要であったことより次年度への使用金額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、ウェアラブル生体センサ「Silmee Bar type」49.5万(5.5万×9個)とその時に使用するゲルパッド9万(0.9万×10個)、学会参加費(1名×3回)30万、研究協力者への謝金3万、データ収集人件費5万の予定である。
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Research Products
(1 results)