2017 Fiscal Year Annual Research Report
Longitudinal study to reveal about effectiveness of the fertility education program for university students
Project/Area Number |
15K11661
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
秋月 百合 熊本大学, 教育学部, 准教授 (90349035)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 不妊症予防 / 妊孕性 / 健康教育 / 介入研究 / 縦断研究 / リプロダクティブヘルス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高校卒業後の若者を対象とした不妊症予防教育プログラムの開発を目的に、不妊症予防のための授業プログラムを作成し、授業介入を伴う縦断的研究を平成27~29年度に実施した。最終年度である29年度は、前年度実施した不妊症予防教育プログラムを受講した大学生を対象に、生殖に関する知識、不妊症予防行動および実施意向、ライフプラン意識の変化ならびに定着度を測るため、受講3ヶ月後アンケート調査を実施した。 2回の授業プログラムの受講を終了し、受講前、受講後、3ヶ月後の計3回のアンケートに回答した者を分析対象とした(n=40)。性別は男性が32名(80.0%)、年齢は20~21歳が85.0%で、7割以上が将来の結婚や子どもを希望していた。授業プログラムの効果を検討するために、生殖に関する知識等を「受講前」×「受講後」、「受講前」×「3ヶ月後」でMcNemar検定した結果、不妊症、女性の年齢・喫煙・性感染症と妊孕性の関係、妊娠のタイミング等に関する知識において効果が示唆された。また、適正体重の理解と維持、性感染症予防行動および実施意思の向上における授業効果が示唆された。 これらから、本研究の不妊症予防教育プログラムは、生殖に関する知識や健康意識、健康行動に一定の効果があると考えられたが、改善の余地も認められた。今後は授業プログラムを見直し、不妊症予防のためのの大学生や高校生向け健康教育・性教育に活かしていく予定である。 本年度は、上記調査に加え、高校卒業直後の教育学部生の生殖に関する知識に関する実態調査を実施した。さらに、不妊症予防教育プログラムの効果検討として、プログラムの信頼性を高めるため、授業介入を伴うケースコントロール研究を実施した。これらの研究の成果報告として、日本学校保健学会学術集会において発表した。今後は論文発表を進めていく。
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