2017 Fiscal Year Research-status Report
成熟期女性の妊孕性の維持と健康感の向上をめざした教育プログラムの開発
Project/Area Number |
15K11666
|
Research Institution | 湘南医療大学 |
Principal Investigator |
渡邊 知佳子 湘南医療大学, 保健医療学部看護学科, 准教授 (20366503)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 妊孕性 / 女性 / 成熟期 / 健康教育 / 不妊症 / 日常生活行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、未婚・未妊で就労している20代の女性309名を対象に、不妊症及び妊孕性の知識の有無、不妊や妊孕性への意識、妊孕性を低下させる日常生活行動について、質問紙調査を実施した。正解率が最も低い項目は、体外受精により出生した新生児の割合(15%)と、次いで体外受精の成功率(28%)であった。これらは正解率が低いだけでなく、55%以上が「分からない」と回答していた。また、不妊症夫婦の割合の正解率は37%、不妊症の定義の正解率は40%、妊孕性低下の年齢の正解率は42%といずれも低く、半数以上が正解しなかった。一方で正解率が高い項目は、生理痛と不妊症との関連(80%)、「卵子は何歳でも作られる」(76%)、「40歳でも不妊治療をすれば簡単に妊娠できる」(75%)であった。 「将来子どもを出産したい」と希望している者は68%だったが、ライフプランのある者は30%であった。「不妊治療について知りたい」と答えた者は40%で、「将来、子どもが出来なかったら不妊治療を受ける」と回答した者は49%であった。一方で「不妊治療を受けることに抵抗感がある」と答えた者も36%存在した。「不妊予防を意識した生活を実践している」と回答した者はわずか7%であった。 20代の未婚女性は、妊娠・出産可能な年齢に限界があることは分かっているが、具体的に何歳から妊孕性が低下するのかは知らなかった。また、不妊症の定義、不妊治療及び成功率などの知識は無いことが明らかとなった。漠然と子どもを出産したいとは考えているが、ライフプランを計画している人は少なく、妊孕性を意識した生活行動の知識も殆ど無いことが分かった。以上のことより、リプロダクティブヘルス/ライツの観点から、ライフプランの必要性と、妊孕性及びそれらを維持していくための具体的な生活行動、不妊治療についての3つの教育の必要性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
業務の変更とそれに伴う過重な業務負担があり、研究を遂行できる時間がとれなかった。また、調査協力の施設や手段を変更しなければならず、データ収集が大幅に遅れてしまった。第一の調査が終了し、第二の調査の準備も整いつつあるので、今後は順調に進むと思われる。
|
Strategy for Future Research Activity |
第一の調査が終了し、それを踏まえて第二の調査を行う。第二の調査として、20代の未婚・未妊の就労女性40名を対象に、妊孕性の維持と健康感の向上をめざした健康教育を行い、その前後の変化を質問紙調査する予定である。研究対象者はネットリサーチ会社を通じて募集する予定であり、教育を実施する会場の選定とそれに合わせて日程を決める段階である。 また、第一の調査の分析が途中段階にあるため、それらを進めていく予定である。
|
Causes of Carryover |
調査が遅れていて、現在、まだ第二の調査が実施できていない。そのため、第二の調査時(健康教育)に必要なパソコンやプロジェクター等を購入しておらず、ネットリサーチ会社への支払い、資料の印刷、対象者への謝金等も使用していない。また、健康教育時に研究補助者を雇用する予定であり、その費用に充てる。
|