2017 Fiscal Year Annual Research Report
Care and support for overcoming the problems of adolescent women with excretion and sexual function disorder
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15K11668
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
佐保 美奈子 (井端美奈子) 大阪府立大学, 看護学研究科, 准教授 (80331742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 真行 和歌山県立医科大学, 先端医学研究所, 准教授 (20305775)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 総排泄腔遺残症 / 移行期支援 / 就労支援 / 性機能障害 / 性分化疾患 / 膣拡張 / 性の多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
総排泄腔遺残症は小児期希少難病であり、生涯にわたる排泄・性機能の問題が、学業・就業・人間関係に影響を及ぼし、身体的・精神的・社会的にも負担が大きい。特に、思春期女性の学業・就労・恋愛・結婚への支援について研究した。 ①性の多様性と理解 2年前に文科省から「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について」という資料が公表され、性的少数者の理解促進がはじまった。一方、性分化疾患については、教員だけではなく、医療者にとっても対応に苦慮しているのが実状である。性の多様性について、社会全体で理解促進が必要である。 ②障がい者の就業支援 障がい者の就労支援は政府がさまざまな法律を作り、雇用がすすんできた。排泄障害をもつ者は、前夜または早朝から洗腸や浣腸を1時間以上かけておこない、日中も1~3時間おきの導尿をおこなうなど、努力と工夫をしながら就労している。生活習慣病などの持病を抱えながら、育児・家事・介護などの課題を抱えている人を加えると、ほとんどの労働者が上司や同僚からの配慮を必要としている。職場・社会全体で就労を応援することが大切である。 ③障がいをもつ女性のエンパワメント 女子会には交際中のものや結婚している女性が参加するが、膣性交ができず、子どもが産めない女性もいる。日本は、セックスレスが世界で一番多く、無理に膣拡張術や膣形成術を受けないという選択肢もある。大切なことは、病気や障がいをふくめたこころとからだと相手のこれまでの人生を丸ごと受け止めて応援しあうことである。総排泄腔遺残症の女性とパートナーのもつ思いやり・やさしさ・強さなどを社会に発信していくことも必要である。 ④研究成果物として、『膣拡張用樹脂製ダイレーター』『総排泄腔遺残症ってこんな病気』『総排泄腔遺残症の就労支援』『DSDの子どもをもつご家族の皆様へ』などがある。
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Research Products
(5 results)