2016 Fiscal Year Research-status Report
医療型障害児入所施設における親子入園プログラムの開発と評価:父親への支援
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15K11677
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Research Institution | Tsukuba International University |
Principal Investigator |
藤岡 寛 つくば国際大学, 医療保健学部, 教授(移行) (90555327)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 親子入園 / 障がい児 / 家族 / 役割期待 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、児のケアや養育における父親・母親間の知識や技術、態度の差異に注目して、療育施設からのヒアリングや学会等での情報収集を行った。 母親が熱心に児のケアや養育に関わるあまり、父親に自分と同様のケア役割を求めるケースがあった。父親は当該児だけでなく、他のきょうだいの世話や家事全般の必要性を認識しており、その役割遂行を自負する一方で、結果的に母親からの役割期待に一致しないケースがあった。実際の支援では、父親と母親間でケアの知識や技術の共有を図ることと併せて、父親と母親が互いの特性の差異を認めて理解していくプロセスが大切である。 親子入園の場面では、入園期間中ずっと父親が入園しているケースは稀で、多くは母親と曜日・時間を決めて交代しながら児に同伴しているケースであった。親子入園スタッフから児のケアや訓練について指導を受けることにより、父親・母親がそれぞれで児のケア技術を向上・確立させていた。親同士のグループワークを通じて、児の障がいに対する受け入れができ、社会資源の利用知識が得られ、養育に関する自身の態度や信念を再考することができた。しかし、入園しているのは父親か母親のどちらかであるため、ケア技術の共有・統一を図ることと養育に関して父親・母親が互いに理解する機会をもつことが現状では難しい。そこで今後は、親子入園プログラムの中に、父親・母親が一緒に参加する「家族面談」や「家族間でのグループワーク」を体系的に組み入れていくことを提案していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に沿って、親子入園における支援方略について多角的に検討をすすめることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
児のケアや養育に関する父親・母親間の差異について、ケア知識や技術の共有を図るとともに、互いの特性を認めて理解していくプロセスを明らかにする。 そのうえで父親・母親が一緒に参加する「家族面談」や「家族間でのグループワーク」を親子入園プログラムに体系的に組み入れていく。
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Causes of Carryover |
研究目的である親子入園プログラム作成にあたっては、障がい児のケアや養育に関する父親・母親間の協働について、特に多角的で綿密な検討を必要としているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
これまでの検討を踏まえて、親子入園プログラムの作成および実施、評価を研究計画に沿って遂行する。
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