2017 Fiscal Year Research-status Report
月経周期に伴う育児感情尺度(短縮版)の開発と有効性の評価
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15K11678
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Research Institution | Miyazaki Prefectual Nursing University |
Principal Investigator |
濱嵜 真由美 宮崎県立看護大学, 看護学部, 准教授 (90352335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常盤 洋子 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (10269334)
齋藤 益子 宮崎県立看護大学, 看護学部, 教授 (30289962)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 月経前症候群 / 尺度開発 / 育児期 / 信頼性 / 妥当性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、児童虐待予防に月経前症状の軽減を目的として開発する「月経周期に伴う育児感情尺度(短縮版)」が、月経前症候群(以下PMS)の診断(第1スクリーニング)と母親のセルフケアの動機づけ(看護介入)になっているか検討することである。 具体的な目標は以下の通りである。第1段階は、0歳児~5歳児の母親のフィジカルアセスメントと、子どもに対する月経前症状を明らかにする。第2段階は、0歳児~5歳児の母親を対象に、「月経周期に伴う育児感情尺度(短縮版)」の有効性の評価の検討を行う。 第3段階は、「月経周期に伴う育児感情尺度(短縮版)」の信頼性と妥当性の検討と介入効果の判定を行う。 出産後の0歳児~6歳児の母親の797名中454名(57%)が、月経前は子どもに怒るなどをはじめ、何かしらの月経前症状を発症していた。また、本尺度は、因子分析(主因子法,プロマックス回転)の結果,38項目,5因子の【月経開始前の情緒の不安定感】,【月経開始後の情緒の肯定的変化】,【月経開始前後の夫のサポートの捉え方】,【月経開始前の気力の低下】,【月経開始前の不快な身体的症状】が抽出された。本尺度とParenting Stress Indexショートフォームとエディンバラ産後うつ病自己調査票とソーシャルサポートスケールとの相関は,正・負の相関が示され,基準関連妥当性が確認された。Cronbach’sα=.79~.94,折半法はp=.74で高い信頼性が確保された(濱嵜、2018)。 本尺度のPMSあり群の得点の平均値は141.5(SD± 26.1),PMSなし群の得点の平均値は121.7(SD±27.6)であった。PMSあり群とPMSなし群の比較では,PMSあり群の得点が有意に高かった(t(829)=10.6 ,p<.01)。よって、月経周期により育児感情が変化するPMSのある母親には適応していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
0歳児~6歳児を持つ母親の月経前症状に、産後の骨密度、筋肉量、冷えがどのような影響があるのか検証するために、骨密度測定、体組成計による筋肉量・水分量・脂肪量の測定、両手足・腹部の体温測定を実施する予定であった。しかし、この研究のみが遅れている。その他の研究はほぼ終了し、平成30年度は、学会発表、論文投稿予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、「月経周期に伴う育児感情尺度(短縮版)」の有効性の評価について、下記の検討を行う予定である。 母子看護専門家と疫学の専門家と検討した結果、「月経周期に伴う育児感情尺度(短縮版38項目)」は、パートナーのいないシングルマザーにも対応するために、【月経開始前後の夫(パートナー)のサポートの捉え方】の6項目と、夫(パートナー)関する4項目を削除し、尺度28項目で再調査する予定である。 0歳児~6歳児を持つ母親の月経前症状に、産後の骨密度、筋肉量、冷えがどのような影響があるのか検証するために、骨密度測定、体組成計による筋肉量・水分量・脂肪量の測定、両手足・腹部の体温測定を実施する。
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Causes of Carryover |
次年度使用が生じた理由は、平成29年度は、所属施設の担当課程が1期生のため業務が多忙であった。そのため、0歳児~6歳児を持つ母親の月経前症状に、産後の骨密度、筋肉量、冷えがどのような影響があるのか検証する予定であったが、骨密度測定、体組成計による筋肉量の測定、両手足・腹部の体温測定の実施ができなかった。 平成30年度の使用計画は、骨密度測定・体組成計のレンタル料、母親検査中の保育士と理学療法士の報償費に使用する予定である。また、学会発表の旅費、論文投稿する際の英文翻訳に使用予定である。
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Research Products
(1 results)