2017 Fiscal Year Research-status Report
保育園看護師による「気になる子ども」への早期支援を可能にする支援プログラムの構築
Project/Area Number |
15K11698
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
津田 朗子 金沢大学, 保健学系, 教授 (40272984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 留美子 金沢大学, 保健学系, 研究協力員 (90169946)
福井 逸子 金沢星稜大学, 人間科学部, 教授 (60390374)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 保育園看護師 / 気になる子ども / 発達障害 / 早期支援 / 連携 / 切れ目ない支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、多様化する社会の保育ニーズに対応するため、看護師を配置する保育園は増加傾向にある。しかし、保育園看護師の主要業務は健康管理が中心とされ、発達障がいを疑われる「気になるこども」への支援においては、保育園看護師が主体的に関与した取り組みはこれまであまり報告されてこなかった。 そこで、本研究では、「気になる子ども」の早期発見・支援における保育園看護師の活動の実態を調査し、これまでの研究で作成した「保育園における子どもの気になる行動アセスメントツール」を用いた縦断調査の結果もふまえ、支援体制の課題を明らかにし、保育園看護師の専門性を効果的に発揮できる支援方法を検討してきた。 看護師は、単数配置の場合にはクラス担任として乳児クラスに配置されている場合が多く、関わる生活場面も限られる中で、保育士と比較し「気になる子ども」の支援に直接関わる機会が少ないこと、経験が乏しい状況において保育士からの断片的な情報のみでは経過や全体像を把握しにくいこと、保護者との関わりも限られていることなどから、総合的なアセスメントが行えず支援において十分な役割を取れていないと感じていた。 アセスメントに必要な情報を保育士と看護師がともに個人の発達の経過の中で共有して捉えることができるよう、園児の健康管理と併せてアセスメントツールによる定期的な発達評価を行うことは、保育士からの情報を客観的に捉える上で有効であり、情報の共有を可能にした。また、これまで経験則であった保育士の「気になる」と捉える状態を、客観的に評価したことにより、保育士個人の捉え方の偏りに気付いたり、発達の遅れや歪みの見極めのポイントを見出すための指標となったことが話し合われた。これらの情報は、他機関との連携や就学に向けた切れ目ない支援のための学校や特別支援学校の教育相談室への申し送り内容の検討に活用され、園内外の連携を円滑にすることに貢献している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実態調査の結果を踏まえ、保育園看護師の役割についての検討を重ねた結果を学会及び論文にて報告予定であったが、平成29年度は所属する小児看護部門の教員が欠員となったことで業務が多忙となり、研究成果をまとめ、報告する時間を確保することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
保育園看護師の役割についての検討結果を学会及び論文にて報告する。 具体的には、国際学会(16th World Congress of the World Association of Infant Mental Health, Rome, May,2018)への発表および関連学会誌への投稿を予定している。
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Causes of Carryover |
実態調査の結果を踏まえ、保育園看護師の役割についての検討を重ねた結果を学会及び論文にて報告予定であったが、平成29年度は所属する小児看護部門の教員が欠員となったことで業務が多忙となり、研究成果をまとめ、報告する時間を確保することができなかった。そのため、昨年度未使用分は、研究成果の報告・成果発表に使用予定である。 具体的には、国際学会(16th World Congress of the World Association of Infant Mental Health, Rome, May,2018)への参加に要する旅費、論文作成のための英文校閲費、投稿費、印刷費に使用する。
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