2015 Fiscal Year Research-status Report
睡眠障害を有する小児へのタクティールケアの入眠に対する効果の検証
Project/Area Number |
15K11699
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
北野 華奈恵 福井大学, 医学部, 助教 (60509298)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
礪波 利圭 福井大学, 医学部, 助教 (10554545)
出村 佳美 福井大学, 医学部, 助教 (30446166)
上原 佳子 福井大学, 医学部, 准教授 (50297404)
長谷川 智子 福井大学, 医学部, 教授 (60303369)
安倍 博 福井大学, 医学部, 教授 (80201896)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | タクティールケア / 睡眠 / 補完代替療法 / 小児 / 発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は睡眠障害を有する小児、および睡眠に問題のない小児を対象に比較対照実験研究を実施し、補完代替療法のひとつであるタクティールケアの入眠に対する効果を生理的・心理的指標により検証するものである。本研究によりタクティールケアが小児の睡眠障害への補完代替療法となり得ることが確認されれば、臨床での活用に繋げていき、小児の健やかな発達およびQOLの向上が期待される。 本年度は、通院していない睡眠に問題のない健康な小児を対象に研究を進めた。研究計画書作成当初は、入院患児を対象に5日間継続してタクティールケアを実施し、継続効果を検証する予定であったが、共同研究者の急病により予定施設の協力が困難になったため、研究2として予定していた睡眠に問題のない小児を対象に実施することとした。また、急性効果の検証を第1の目的とし、1名の対象者に[control]と[tactile]を各1回ランダムに実施し、分析には2回目のみを採用した。加えて、睡眠状況の指標として脳波を追加し検証することとした。 本年度の実験は、小学4~6年生の児童19名、中学生5名の計24名に実施した。そのうち、12名の結果を一部検証した。実験環境は一定に保ち実施した。被験者属性は、Control 6名、Tactile 6名で年齢、性別、平均睡眠時間に有意差はなかった。HR変化率、HFの変化率ともにControl、Tactileで有意差はなく、全体的にTactileの方がHRは高く、HFは低かった。眠気はTactileの方が高い数値で出たが有意差はなかった。Controlでは前と中、前と後で有意差があり(P<0.05)、Tactileでは前と中に有意差があり(P<0.05)、眠気が持続する可能性が考えられた。Tactileでは、主観による眠気を強く感じてはいるが、自律神経系に影響を及ぼし情動反応を引き起こすには、時間もしくは継続した介入が必要と推測された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究者の急病のため、計画していた研究方法の変更を余儀なくされたが、研究2を先に実施することで大幅な遅れにはなっていない。また、対象者のリクルートを随時行うことで希望者は途切れることはなく、実験は大変順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成28年の年末までに、現在進行中の実験を実施し分析を終える予定である。と同時に睡眠障害を有する小児のリクルートを開始し、睡眠障害を有する小児が通う施設等に協力を要請していく。平成29年度には睡眠障害を有する小児を対象に、現在進行中の実験と同様の実験を実施、分析を行っていく予定である。
|
Causes of Carryover |
実験実施を予定していた入院施設への交通費と継続介入のための宿泊費が不要になったため、予定していた使用額より少ない使用となった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究協力施設リクルート、および実験実施のための交通費、宿泊費に使用する。進行中の実験で使用する、研究協力者や調査補助者への謝金、脳波の分析費、電極、電池などの消耗品に使用する。また、研究の途中段階の学会発表や論文投稿費などの使用も予定している。
|