2019 Fiscal Year Research-status Report
近赤外線分光法を用いた新生児の哺乳時における前頭葉酸素代謝と成長発達に関する解析
Project/Area Number |
15K11700
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
市川 元基 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (60223088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平林 優子 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (50228813)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 近赤外線分光法 / 母乳哺乳 / 前頭葉酸素代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
信州大学医学部附属病院産科婦人科病棟において正期産で出生した児で母親の同意が得られた新生児に対して、日齢3~4日目に母乳哺乳開始前および母乳哺乳中のパルスオキシメーターによる経皮的酸素飽和度、近赤外線分光装置による前頭葉の酸素化ヘモグロビン濃度、脱酸素化ヘモグロビン濃度の測定を行い、症例の蓄積を進め、母乳哺乳中の前頭葉酸素化ヘモグロビン濃度の解析を行った。コントロール群は母乳哺乳を行わなかった児でデータ収集を行った。今まで蓄積したデータを解析したところ、母乳哺乳中の前頭葉の酸素化ヘモグロビン濃度が低下する群と、酸素化ヘモグロビン濃度が上昇する群に分かれた。前頭葉の酸素化ヘモグロビン濃度が低下する群では脱酸素化ヘモグロビン濃度の上昇がみられたが、酸素化ヘモグロビン濃度が上昇する群では脱酸素化ヘモグロビン濃度には変化がみられなかった。母乳哺乳中に前頭葉の酸素化ヘモグロビン濃度が低下した群では経皮的酸素飽和度にも低下がみられたが、酸素化ヘモグロビン濃度が上昇した群では経皮的酸素飽和度の変化はみられなかった。 1か月健診時に前頭葉の酸素化ヘモグロビン濃度低下群と酸素化ヘモグロビン濃度上昇群の体重の比較を行ったところ、上昇群の方が体重増加が良い傾向がみられた。 4か月、10か月、1歳6か月の公的健康診査の時期のデータについては現在のところ数例のみ身長・体重・運動発達についてのデータが得られているのみである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在のところ、新生児期のデータの解析と乳児・幼児期のデータの収集に遅れがみられる。新生児期のデータの解析と乳児期・幼児期のデータの収集・解析を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画を変更して、1年間延長し、新生児期のデータの解析と乳児期・幼児期のデータの収集を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新生児期のデータの解析、乳児期・幼児期のデータの収集に遅れが生じたため、1年間計画を延長して、近赤外線分光装置の消耗品に購入や論文投稿に研究経費を使用する 計画である。
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