2015 Fiscal Year Research-status Report
自閉症児の対人的問題解決における高次認知処理過程の解明とトレーニング 開発
Project/Area Number |
15K11703
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
奥野 裕子 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 講師 (40586377)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 知加 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 助教 (30581558)
岡本 真彦 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (40254445)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 対人的問題解決 / 自閉症スペクトラム障害 / 認知機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、ASD児への対人的問題解決(Interpersonal Problem Solving)IPS場面作成に向けての事前調査を実施している。大阪府下の小学校通常学級に在籍する3-4年生180名程度を対象に、各IPS場面を想定したストーリー[各ストーリーには、喚起が想定される感情(嬉しい・恥ずかしい・悲しい・怖い・怒り・嫌に思う)が意図されている]を提示し、アンケート形式で、児童が認知する感情について回答を求め、刺激の妥当性を確認した。結果では、「嬉しい」の4課題では、それぞれ99%、87%、96%、97%の回答率を得た。「恥ずかしい」の4課題では、それぞれ93.1%、97.1%、71.3%、69.0%の回答率を得た。「悲しい」の4課題では、27.2%、45.0%、81.6%、95.6%の回答率を得た。「怖い」の4課題では、85.1%、73.3%、47.5%の回答率を得た。「怒り」26.5%、37.2%、34.4%、50.0%の回答率を得た。「嫌に思う」47.5%、72.3%、50%、54.6%の回答率を得た。以上より、「嬉しい」「恥ずかしい」においては、4つの刺激課題すべてにおいて、70%以上の正答率が得られ、妥当性が確認された。一方で、「悲しい」「怖い」「怒り」「嫌に思う」については、上記の基準では、一部しか妥当性が担保されなかったので、これについては、再調査を予定する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今回の事前調査の結果より、今後、より詳細に再検討、再調査をすすめる必要があるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
再度の事前調査を早急に進め、これを元に本調査で用いる刺激作成を行う。またこれを用いて、NIRSの予備実験を行い、刺激の感度等を確認していく。
|
Causes of Carryover |
予備調査の段階で遅れが生じているため
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
予備調査を早急に進めて、本調査を実施していくことで、計上していた予算を執行できる。
|