2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of higher cognitive processes and training development in interpersonal problem solving in children with Autism Spectrum Disorders.
Project/Area Number |
15K11703
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
奥野 裕子 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 講師 (40586377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 知加 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 助教 (30581558)
岡本 真彦 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 教授 (40254445)
谷田 勇樹 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 特任助教(常勤) (80800218)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 自閉症スペクトラム障害 / NIRS / 眼球運動 / 対人問題解決 |
Outline of Annual Research Achievements |
既報(Lönnqvista et al.,2016)では、成人ASD者を対象にcommunication場面での社会的認知(眼球運動)と文脈解釈、その関連の検討はあるが、これまで児童期ASD児を対象とした報告はなく、これらと脳機能(NIRS)との関連を合わせた検討もない。本研究ではcommunication場面を対人的問題解決場面と定義し社会的認知(眼球運動)、文脈解釈、また脳機能(NIRS)の特徴を、ASD児群、TD児群、健常成人群との比較から検討する。方法 対象 6~12歳(IQ75以上)のASD児群とTD児群、18~22歳の成人健常群(各30名)。手続き:対人的問題解決が必要な刺激4種類を呈示し、提示中の眼球運動とNIRSの計測、刺激終了後に言語課題を実施した。調査内容:眼球運動計測ではTobiiTX300eyeteacker(Tobiii Technology,2014)を用い視線追跡を記録。NIRS計測では光イメージング脳機能測定装置(SpectratechOEG-16)を用いグローブ(16チャンネル)を前額部に装着し、課題遂行中の前頭前野内側部、右側部、左側部の各領域での神経活動の賦活(血流変動)を測定。言語課題では刺激内容に関する質問(文脈解釈)に対して口頭の回答を求め発話内容等を解析。結果考察:全4刺激において成人健常群はTD児群とASD児群よりも有意に言語課題スコアが高かった。談笑場面のある刺激では、サンドイッチが落ちる瞬間の凝視得点で、成人健常群の方がTD児群とASD児群よりも有意に高くTD児群とASD児群の間には有意な差は見られなかった。その他3刺激ではどの群間においても凝視得点に有意な差はなかった。NIRSにおいては成人健常群とASD児群との比較において8ch,10ch,11ch等で有意差がみられた刺激があった。以上より各群で特徴的な結果が示された。
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