2016 Fiscal Year Research-status Report
早産児の自発運動・姿勢評価:発達障害要因軽減を目指したケアへの応用
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15K11705
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
前田 知己 大分大学, 医学部, 准教授 (80264349)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | general movements / developmental care / cerebral palsy |
Outline of Annual Research Achievements |
NICUに入院した、極低出生体重児、頭蓋内出血などの発達予後の長期観察が必要な症例でGeneral Movements(GMs)記録を行っている。本研究を通じて、早産期のGMsの特徴と、NICUでのケア(腹臥位、nestなどの体位保持)や児の睡眠覚醒Stateが、GMsや自律神経機能に与える影響を示すことができた。腹臥位ではGMsの持続は短く、振幅は小さいが、四肢の回旋の要素に着目することで、仰臥位のGMsと同様な評価が可能である知見を得て成果をまとめている。 行動評価の指標として、GMsの詳細項目の一部である、動きが突然に始まるか、振戦を伴うかの2項目を利用して、アミノフィリン投与による児の過敏性をとらえ、欧文学術誌に報告した。 研究での記録を用いて、睡眠覚醒段階の安定性や、環境、沐浴などによる自発運動への影響を今年度引き続き解析する予定である。 3歳以降の長期発達予後評価も今年度から始まり、現在までに10例の3歳時予後の評価を終了している。長期発達予後のデータとNICU入院中のGMs評価を比較し、動きの観点からのNICUでの発達を促す介入指針を提案することを最終的な目標にしている
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当院NICUに入院した対象児は、ほぼ研究参加に同意をいただき記録が予定通り行えている。発達が順調で療育介入を必要としない場合、長期フォローアップから離脱してしまう例がある。 エントリー対象が均一でないため、疾患ごとに検討しないと結果の解釈が困難になる恐れがある。
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Strategy for Future Research Activity |
新生児期の記録は順調に進んでいるので、現状のまま継続する。 発達の評価を離脱なく継続するために、新生児期のビデオ記録の家族へのフィードバック、療育との連携を深めるなどして、対象児の家族とのコミュニケーションを密に図る。 長期予後との関連の検討は、他施設と共通のプロトコールでのGMs記録、発達評価を行い低出生体重児、頭蓋内出血、新生児仮死それぞれの病態別に検討を行う。
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