2018 Fiscal Year Research-status Report
助産師の実践能力向上にむけたケア経験から学ぶ力・学びを育む力の評価ツールの開発
Project/Area Number |
15K11708
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
正岡 経子 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (30326615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻田 珠江 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (40506242)
林 佳子 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (50455630)
蝦名 智子 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (50583738) [Withdrawn]
相馬 深輝 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教 (30753503) [Withdrawn]
小林 径子 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教 (80757352) [Withdrawn]
植木 瞳 札幌医科大学, 保健医療学部, 研究員 (60758671) [Withdrawn]
丸山 知子 札幌医科大学, その他部局等, 名誉教授 (80165951)
前田 尚美 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (60407129)
中村 彩希子 札幌医科大学, 保健医療学部, 助手 (60832475)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 助産師 / 経験学習 / ケア能力 / 学び上手 / 育て上手 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度の研究目的は、『ケア経験から学ぶ力』と『ケア経験からの学びを育む力』を明らかにし、評価ツールを作成することを目指し研究活動に取り組んだ。 平成28年度に看護責任者から推薦を受け、インタビュー協力の同意が得られた学び上手の助産師および育て上手の助産師20名から得られたデータ分析を継続し、質的帰納的方法で分析を行った。学び上手の助産師6名のデータを分析した結果、<後悔の残るケア経験を振り返ることから、具体的な教訓を見出し実践に活かす><先輩助産師からの助言を理解し、自身のケアに反映させる><自分が関わった妊産褥婦や新生児の人生やその後の生活に対する責任を持つ姿勢>など、6つの要素が明らかになった。後悔の残るケア経験やハイリスク妊産褥婦および家族など困難なケースとの関わりから、次のケア場面で活かすことができる教訓を得ることは、経験からの学びを積み重ね成長するための重要な要素である。また、ケア経験から獲得した教訓や先輩助産師からの助言を基に自己の実践を変化させる行動力と柔軟性が、助産師としての学ぶ力を促進しているものと考える。本研究成果は、日本看護科学学会において発表した。 育て上手の助産師に関しては、14名のうち8名まで分析が進み、現時点の分析の結果、 <後輩助産師の日々の変化と成長を捉える能力><自己の内面を見つめ、後輩と関わる方向性を修正する能力>など、4つの能力が明らかになった。 育て上手な先輩助産師は、試行錯誤しながら後輩の状況に合わせた方法を見出し、状況に合わせる柔軟性を持っていた。また、指導を通して得た達成感を助産師として働く活力につなげる能力を有していることがわかった。本研究成果は、日本助産学会において発表した。 まだ分析できていない6名の育て上手な助産師については、現在も質的帰納的方法で分析を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成30年度は、『ケア経験から学ぶ力』と『ケア経験からの学びを育む力』を明らかにするところにとどまり、当初予定していた評価ツールを作成するには至らなかった。その理由は、研究責任者および分担者が所属する組織における人員の欠員および病欠者が出たことにより、教育活動に専念する必要があったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで実施してきたデータ分析を継続し、『ケア経験から学ぶ力』および『ケア経験からの学びを育む力』評価ツールを作成する予定である。さらに、評価ツールを臨床の新人助産師教育に導入する。評価ツールの導入に協力を得られた助産師4名に対するインタビューの分析を行い、実践に活用できるように修正し、本研究を完遂する。 データ収集やデータ分析のために、調査員を雇用する予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)今年度にインタビューを行った20名のデータ分析を行い、評価ツールを作成する予定であったが、研究責任者および分担者の所属機関の欠員および研究分担者が病欠となり長期間研究活動に参加できなかったため。 (使用計画)所属機関の欠員が充足したため、今後は研究活動に取り組むことが可能となった。評価ツールを臨床で試行的に使用する準備にかかる費用および、評価ツールの導入に協力を得られた助産師4名に対するデータ収集、分析にかかる費用を支出する予定である。データ収集やデータ分析のために、調査員を雇用する予定であり、研究協力謝金を支出する。
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Research Products
(2 results)