2016 Fiscal Year Research-status Report
低出生体重児における母乳栄養と精神運動発達との関連に関する縦断研究
Project/Area Number |
15K11716
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
井上 みゆき 山梨県立大学, 看護学部, 教授 (80347351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 憲一 (丸山憲一) 群馬県衛生環境研究所, その他部局等, 研究員 (80728741)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 母乳栄養 / 発達 / 極低出生体重児 / 超低出生体重児 / NICU / 壊死性腸炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.後方視的(Retrospective Study)データは、2013年以降に出生した子どもが3歳になり、K式発達検査を実施できた児のみ、出生から3歳までデータを結合し分析した。 その結果、①NICU退院まで母乳を継続できた極低出生体重児は91.7%で、超低出生体重児は86.2%で、高率で母乳継続していた。②NICU退院まで母乳を継続した症例で壊死性腸炎になったのは1例だけであった。1例のため母乳継続と壊死性腸炎の因果関係を統計的に解析することは出来ないが、NICU退院まで母乳栄養の継続率が高いことが考えられた。また、1歳6ヶ月時の(修正年齢数値)K式発達検査総合点数を従属変数とし、出生体重、経管栄養開始日齢(母乳)、NICU退院までの母乳継続を独立変数として、重回帰分析を実施した。K式発達検査(修正年齢数値)と経管栄養(母乳)開始日齢、NICU退院までの母乳継続に有意差は認められなかった。これは、後方視データのため児が摂取した母乳の量ではなく、退院までの母乳継続の有無で解析しているためだと考えられる。そのため、現在実施している前方視的データでは、NICU退院までの母乳量を収集し解析する。また、児の発達に影響する両親の健康、教育暦、経済、家庭環境などを交絡因子にして解析をする。 2.前方視的(Prospective Study)データは、2015年~2016年の出生児のデータ収集を行った。これらの児が1歳6ヶ月時点でK式発達検査を随時実施する。さらに、対児感情尺度と母乳に関する母親が行うセルフケアの質問紙の解析を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
後方視データは、3歳児のK式発達検査のデータ収集が遅れ(対象児が体調不良、家事都合などの理由により発達検査日に実施できなかったため)、対象者数が少なく詳細の解析がまだである。
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Strategy for Future Research Activity |
1.後方視データの詳細の分析を行い成果を論文にする。 2.2015年~2016年に出生した対象児が1歳6ヶ月となるためK式発達検査を随時実施する。 3.NICU退院まで母乳継続した母親に実施している対児感情尺度と母乳に関するセルフケアの質問紙の解析を実施する。
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Causes of Carryover |
後方視データの3歳児発達検査データ収集が遅れたため、本年度の国際学会および国外への論文投稿できなかった。そのための国外旅費、論文投稿費が残金となった。 また、本年度はデータなどの入力の作業に、人件費を使用しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1.次年度は国際学会、国外論文への投稿を予定している。そのため国際学会の旅費、国外論文投稿費用および英文のネイティヴチェック費用とする。 2.今年度は、作業が遅れないようにデータ入力専門の者を雇用する。
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Research Products
(4 results)