10代母親の看護支援必要度測定尺度の開発

2015 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 15K11724
• Research Institution: Okinawa Prefectural College of Nursing
• Principal Investigator: 賀数 いづみ 沖縄県立看護大学, 看護学部, 准教授 (50316220)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 前田 和子 沖縄県立看護大学, その他の研究科, 教授 (90190298)
• Project Period (FY): 2015-04-01 – 2018-03-31
• Keywords: 10代母親 / ハイリスク / 評価指標 / 臨床評価 / 社会生態学的観点 / 身体的評価 / 保健行動 / 心理社会的評価

Outline of Annual Research Achievements

沖縄県の10代母親は全国の2倍の高率を継続中であり､臨床現場では現実的に全数をきめ細かく支援するには限界がある。本研究は､社会生態学的観点から10代母親のハイリスク者を判別する適切な尺度「支援必要度測定尺度（10代母親用）」を開発することを目的としている。なお、本研究では10代女性が妊娠、出産、産褥のどの時期であっても、10代母親と称する。
平成27年度は､国内外の文献から10代母親に関連ある評価指標（変数）を抽出、分類し、評価枠組みおよび研究方法の手順を決定した。第1段階質的研究、第2段階量的研究から構成する研究計画書を完成させ、倫理審査委員会の承認を得た。また、研究参加者の一部から協力の承諾を得たところである。
国外文献は、期間を1990～2014年として「PubMed」、「CINHAL」で検索した。文献の重複、医学的な論文を除いて国外61論文、国内文献40件を本研究の文献検討の対象とした。文献検討の結果から支援必要度の測定指標は、①基本情報（属性）、②身体的側面、③保健行動、④心理的側面、⑤社会的側面の5つの領域から構成する評価枠組みとして構成することとした。これらの下位尺度指標の妥当性を検証するため、既に信頼性・妥当性が示されているSOC（Sense of Coherence:首尾一貫感覚）、妊娠リスクスコア、産後うつ病自己調査票などを用いることを決定した。
今後は10代母親に日常的に接している経験豊かな産科医、助産師への面接データの収集と分析、さらに専門家によるレビューを経て質問項目を精選し、調査票を完成させ、10代母親及び医療従事者への調査を実施し、作成した調査票の検証を行う。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初は、データ収集を10代母親及び医療従事者に対して質問紙調査のみ（第２段階）を行う予定であった。しかし、文献検討の結果、アセスメント項目が少なかったことから、その前に10代母親の診療にあたっている医師や助産師の臨床評価に関する考えを聞き取り、専門家のレビューを経て質問紙を作成する第1段階を加えたためである。

Strategy for Future Research Activity

今後は、第2段階の対象選定と調査がスムーズにいくよう、各協力施設に経験豊かな助産師を研究協力者におき、研究を推進していく。

Causes of Carryover

平成27年度に、研究方法を1段階方式から2段階方式に変更したことによって、10代母親のデータ収集開始が若干遅れたため、予算に残額が生じることとなった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成28年度の使用計画は、物品費　230,000 旅費　200,000 人件費・謝金 100,000 その他70,000 計600,000 繰越金　113,153 合計　713,153　である。

繰越金残額の使用計画として、平成28年度は離島を含む調査､専門家のレビュー計画のため､旅費に使用計画を追加する。石垣往復×3回（19,000×3回=57,000)､宮古往復×3回（18,800×3回=56,400) 合計 113,400。