2015 Fiscal Year Research-status Report
認知行動療法に基づく周産期喪失の看護者教育プログラム:ランダム化比較試験
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15K11730
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
岡田 明子 (蛭田明子) 聖路加国際大学, 看護学部, 助教 (80584440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 成子 聖路加国際大学, 看護学部, 教授 (70157056)
片岡 弥恵子 聖路加国際大学, 看護学部, 准教授 (70297068)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 認知行動理論 / 周産期喪失 / コミュニケーション / テーラーメイドケア / 教育プログラム / ランダム化比較試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、平成26年度に開発したプログラム(パイロット)の改定を目的に、構成を一部修正してβテストを行った。参加者は14名であった。 改訂版はパイロットの課題のひとつであった“プログラムの時間”の短縮を測るため、認知行動理論に基づくセルフケアのパートでワークをひとつ減らして行った。しかし、「ワークは頭の整理が追いつかず、少し難しかった」、「ワークをもっとゆっくりできたらなお理解が深まる」という意見が聞かれ、ワークを減らすよりむしろ充実させる方がよいと考えられた。また、「講義で初めて聞く言葉が多く、理解に時間がかかる」、「認知行動理論について基本だけでも予習しておくともっと理解できたのではないか」という意見も聞かれ、このパートは講義部分をe-learningとし、事前に予備知識をもってプログラムに参加してもらうのがよいと考えられた。 もうひとつの課題であった“ロールプレイに対する抵抗感”は、6-8名1グループから改訂版では二人一組へグループサイズを小さくしてロールプレイを行った。しかし、「気が楽」という意見もあったものの、反応に大きな違いはみられなかった。今後も引き続き“抵抗感”を和らげる工夫が必要である。 プログラム全体の満足度は91%と高く、「実践に役立つか」という問いには5段階評価(1:まったくそう思わない~5:強くそう思う)で4.6であった。 プログラムのアウトカム測定方法に関しては、パイロットスタディの結果より共感疲労の測定用具変更が必要と考えられた。測定用具の検討を今後行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
βテストにより新たな教授方法の工夫とそのための教材作成が必要となった。そのため、本研究としてプログラムを実施するのは予定より多少遅れる可能性がある。しかし、改善の具体的なヒントは得ており、大幅な遅れにはならないと予測する。 アウトカム評価の尺度の見直しが予定より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
プログラムの時間を有効活用するため、プログラム対象である看護師・助産師になじみが薄く理解に時間がかかる認知行動理論をベースにしたセルフケアのパートに、e-learningを取り入れる。その開発と作成を行う。 また、アウトカム評価の尺度を決定し、研究で使用できるように必要な準備・調整を行う。 平成28年度中にリクルートを開始、プログラム実施に至るように進めていく。
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Causes of Carryover |
平成27年度に予定していたDVD教材開発のためのインタビュー、及びVTR作成を実施しなかったため。また、RTSに参加する調整ができず、出張しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に研究協力者とプログラムのコンテンツ、及び測定用具(尺度)の検討のため、アメリカに出張する。またアメリカで開催のPLIDAに参加し、海外の研究者らと意見交換を行う。 DVD教材のほかにe-learning教材を作成する。その制作費として使用する。 年度末にはリクルートを開始していく予定であり、その広報や人件費として使用する。
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