2016 Fiscal Year Research-status Report
1型糖尿病をもつ子どもの学校生活を支える家庭・学校間連携の促進
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15K11732
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
出野 慶子 東邦大学, 看護学部, 教授 (70248863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河上 智香 東邦大学, 看護学部, 准教授 (30324784)
天野 里奈 東邦大学, 看護学部, 助教 (90459818)
高山 充 東邦大学, 看護学部, 助教 (20623424)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 1型糖尿病 / インスリンポンプ / 学童期の子ども / 学校生活 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度(平成27年度)は、「母親がとらえているインスリンポンプを使用している子どもの学校生活と学校側の対応」というテーマで研究を実施した。しかし、この結果は、母親が把握している状況や認識であって、実際にインスリンポンプを使用している1型糖尿病をもつ子どもが体験している学校生活状況ではない。 そこで、今年度はインスリンポンプを使用している子どもの学校生活状況を明らかにすることを目的として研究を実施した。家族会主催の糖尿病キャンプにて、1年以上インスリンポンプを使用している小学1年生~6年生の6名を対象とし、グループインタビューを実施した。インタビュー内容は、インスリンポンプに関連して困ったこと、学校関係者からのサポート状況についてである。 その結果、インスリンポンプに関して困ったことは、<特別な関心を引く><クラスメートの言動に困惑><補食に対する羨望>であった。担任等からのサポートに関しては、<特別扱いされたくない><過剰な心配は不要><病気の子どもと見られる困惑>であった。 インスリンポンプを使用しながら、他の子どもたちと同じように学校生活を過ごすには、クラスメートの理解や協力が必要であり、適切な説明が重要であることが再確認された。また、低血糖時にはサポートしてほしいものの、担任が過剰に心配したり、特別扱いすることは、子どもが望む担任のかかわりではないことが明らかとなった。学校関係者との連携において、ポンプトラブルや低血糖時の対処法だけでなく、子どもへのかかわり方についても話し合う必要性が示唆された。 本研究結果は、2017年9月開催の第22回日本糖尿病教育・看護学会学術集会にて発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度(平成28年度)は、1型糖尿病をもつ子どもが在籍する学校の関係者(養護教諭や担任)を対象とした講習会を開催し、子どもの学校生活を支える支援についてディスカッションを行って、家庭・学校間の連携や調整の望ましいあり方について明らかにすることを計画していた。 しかし、前年度にインスリンポンプを使用している学童期の子どもの母親を対象としたグループインタビューを実施し、「母親がとらえているインスリンポンプを使用している子どもの学校生活と学校側の対応」については明らかにしたものの、実際にインスリンポンプを使用している子ども自身の学校生活における体験は定かではなかった。 そこで、計画を変更し、今年度は1年以上インスリンポンプを使用している1年生~6年生の6名を対象としてグループインタビューを実施し、家庭・学校間の連携について検討することにした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果を2017年9月開催の第22回日本糖尿病教育・看護学会学術集会にて発表する。また、学術雑誌に論文投稿を予定している。 平成27年度および28年度の研究成果から、家族と学校関係者の連携・調整がスムーズになるような冊子を考案し、小児糖尿病専門医師、小児糖尿病看護経験がある看護師、糖尿病療養指導士等からの意見を踏まえ、家族と学校関係者との連携に焦点を当てた冊子作成を目指す。
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Causes of Carryover |
研究データの分析を実施するため、パソコン購入を予定していた。しかし、8月にデータ収集を実施したものの、データ分析が次年度にずれこんでしまったため、パソコン購入費用と分析費用に未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
・パソコン購入 ・学会発表(福岡県博多市)の旅費 ・冊子作成費用
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