2015 Fiscal Year Research-status Report
出産にかかわる医療過誤を経験した女性の次子の出産に対する支援プログラムの開発
Project/Area Number |
15K11743
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Research Institution | Kawasaki City College of Nursing. |
Principal Investigator |
山崎 由美子 川崎市立看護短期大学, その他部局等, 准教授 (00341983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 良子 川崎市立看護短期大学, その他部局等, 助手 (50772894)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 医療過誤 / 出産 / 次子 / 支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
出産にかかわる医療過誤により児を喪失した女性の次子の出産に対する支援プログラム 1.助産師に対する実態調査 調査の承諾が得られた18医療施設に勤務する助産師251人に調査票を配布した。回答は139人(回収率55.4%)から得られ、以下のことが検討された。1)出産にかかわる医療過誤により児を喪失した女性に対する知識や経験は少ない。2)かかわる時のネガティブな感情が対象に寄り添いケアできる自信や積極的なかかわりに影響を及ぼす可能性がある。3)次子を妊娠・出産する女性の思いの理解については、経験のある助産師、経験のない助産師ともにすべての項目において過半数以上が肯定的な認識をもっている。4)次子を妊娠・出産するときに必要な支援の理解については、「医療過誤や医療過誤により喪失した児のことをよく知っている医師助産師が立ち会う」という項目において、女性のニーズと助産師の認識に違いがある。5)望ましいケアの積極的なかかわりについては、「原因はどうあれ、児を喪失したことのある女性が次子を出産する時と同じようにかかわる」「医療過誤や喪失した児については、自分から聞かないようにした」という項目において、女性のニーズと助産師の認識に違いがある。6)ケアの積極的なかかわりに関与するモデルとしては、「思いの理解」の向上が「必要な支援の理解」に影響を与えることや、「必要な支援の理解」が深まることにより「積極的な関わり」につながることが示唆された。これらは、日本助産学会学術集会で発表した。 2.医師に対する実態調査 調査の承諾が得られた37医療施設に勤務する医師105人に調査票を配布した。回答は54人(回収率51.4%)から得られ、現在データの解析を行っている。これらは、平成28年度中に関連学会において発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
医師に対する実態調査において、医療施設から調査協力の承諾を得るのに難航し、当初予定していた200施設から339施設に増やし、再度調査依頼を行ったこと等が大きな要因と考えている。しかし、施設数を増やしたことで調査協力者は、予定より若干下回ったもののデータの解析に支障をきたすことはなかった。現在データの解析を行っており、予定通り平成28年度中に関連学会において発表することが可能と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画を予定通り遂行する。 今年度の調査で明らかとなった支援の現状と課題を整理し、支援プログラムを作成する。そして、出産にかかわる医療過誤により児に被害が及ぶ経験をした後、次子の妊娠・出産を希望した女性2~3人に対し、出産場所となる施設と連携しながら支援プログラムを実施し、その効果を検討する。具体的な方法として、研究者は女性の気持ちを傾聴しながら継続的に関わりをもち、出産場所となる施設と連携しながら支援プログラムを実施する。支援プログラム終了後に女性に対し、プログラムの時期、内容、方法、出産満足度および次子に続く出産(次々子の出産)等の調査を行い、施設にも意見を求めながら評価を行い、その効果を検討する。
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Causes of Carryover |
医師に対する実態調査において、医療施設から調査協力の承諾を得るのに難航し、当初予定していた調査協力者数が若干下回ったことが要因と考えている。しかし、データの解析に支障はなく、予定通り平成28年度中に関連学会において発表することが可能と考えている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に開催される関連学会での発表の際に使用したいと考えている。
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