2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K11745
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
中富 利香 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他, 准教授 (20347066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関森 みゆき 東京女子医科大学, 看護学部, 准教授 (00313867)
市川 正人 北海道科学大学, 保健医療学部, 准教授 (20513873)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 早産時 / 父親の特性 / 相互作用 / 孤立感 / 夫婦間の調整 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はH27年度に作成したインタビューガイドラインに沿って研究対象者である早産時の父親に半構造的面接を実施した。面接は児の退院が決定した時期にNICU施設内で行った。インタビュー内容から早産時の父親の育児参加における特性を質的に分析した。 夫婦関係の特性として、妻の心身を労り支える存在になる努力をし育児行動は妻の意向と行動に合わせ、妻が主体的な育児行動を促進できるよう父親自身の行動を調整していた。同時に、父親は父親自身が主体的な育児行動を獲得することを切望していた。しかし、医療者が妻を中心とした育児支援を展開している環境にあることから、無力感を感じ孤立感を抱いていた。父子関係の特性として、母親を介さず子どもとの直接的な相互作用により子どもを段階的に理解し、父親自身の子どもへの関わり方の質や量を変化させていた。子どもへの理解は子どもとの直接的な相互作用を中心としているが医療者からの説明を理解の根拠や安心感として利用したいとう気持ちが見られた。 以上の特性から、父親の無力感や孤立感、子どもとの相互作用を促進する因子、子どもの病状や成長発達についての説明の方向性と内容について抽出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度選定した研究対象施設において早産時の出生が十分な数に至らなかったこと、また研究対象者の父親にインタビューの承諾を得られなかったケースもあたっため、インタビューによるデータ収集が遅れてしまった。年度の後半に施設数を増やし、年度末にようやく質的分析に耐えられる数を確保した段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、インタビュー内容から質問紙を作成し量的な分析を行い、育児支援プログラムの検討を行う。しかし、回収率は出生数や子どもの退院後の状態の変化にも左右されるためインタビュー調査を並行して進め、回収率が統計的な解析に耐えられない場合は質的な解析に変更し、育児支援プログラムの概念モデルを検討する。
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Causes of Carryover |
出生が研究対象施設における今年度の出生数が予想より少なかったこと、研究協力の承諾を得られなかったケースがありインタビュ調査の進行が遅れ、量的解析のための質問紙調査を翌年度に行う事となった。そのため今年度使用予定であった量的解析を行うための資金を使用できず、翌年度の使用額として持ち越しされることとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度のインタビュー調査から質問紙を作成し、研究協力施設に配布し量的解析を行う。そのために伴う諸経費を使用する予定である。
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