2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K11747
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
鈴木 圭子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10341736)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 要介護高齢者 / 介護老人保健施設 / 口腔機能 / 生活リズム / 日常生活動作 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.介護老人保健施設を利用する要介護高齢者84名の口腔機能評価(舌圧,オーラルディアドコキネシス,嚥下)と生活リズムを含む日常生活に関する調査を行い、口腔機能と生活リズムに関連する要因を分析した。現在得られている結果は以下の通りである。 (1)舌圧に関連していた要因は、手段的ADL、コミュニケーションADL、BMI、認知機能(HDS-R)、会話の頻度であり、ADL・年齢調整後も会話の頻度、HDS-R、BMIは舌圧に有意な関連性を示した。要介護高齢者の口腔機能関連要因として従来報告されている要因以外に、舌圧には、会話の頻度、ADLでは特に手段的ADLとコミュニケーションADLが関連することが示された。これらは舌圧低下を示す指標となる可能性がある。 (2)簡易生活リズム質問票(Motohashi, et al.)による評価結果、対象者の生活リズムに関連していた要因は、孤独感・不満足感、老いに対する態度、笑い・会話の頻度であり、多変量解析の結果では、孤独感・不満足感、老いに対する態度の関連が有意であった。通所者においてのみ口腔ケア実施状況は生活リズムに関連があり、在宅要介護高齢者では口腔ケアは生活リズム同調因子となる可能性が示唆された。以上の結果は、要介護高齢者のケアにおける看護上の知見になり得る。 (3)協力が得られた対象者において、体動センサーによる活動量の測定を行った。結果は解析中である。 2.地域における健康教室参加者を対象とした調査結果から、精神的回復力と笑い、気分、主観的健康感の関連を分析した。精神的回復力の評価には精神的回復力尺度(小塩,他)を用いた。「新奇性追求」が高い者は笑いの健康体操により「緊張-不安」が低下しやすく、「感情調整」が高い者は、笑いにより「怒り-敵意」低下、及び「活気」が上昇しやすい傾向を認めた。本結果は精神的回復力の特性の一部を示すと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
要介護高齢者の口腔機能と生活リズムに関連する要因を、80名以上の対象者からのデータから検討した。これまであまり明確でなかったいくつかの看護上の知見が示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
活動量の客観的データについて引き続き解析を行うと共に、研究成果の公表と対象者への結果の還元を行う予定である。
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Causes of Carryover |
国際学会参加を予定していたが、公務との兼ね合いで国内開催の国際学会発表に変更したことで旅費が抑えられた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主に成果公表のための校閲料、投稿料に使用する予定である。
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