2016 Fiscal Year Research-status Report
その人らしさやおだやかさを生かした認知症ケアの探求
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15K11748
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
辻村 弘美 群馬大学, 大学院保健学研究科, 講師 (70375541)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 認知症 / 高齢者 / well-being / おだやか / 尺度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、筆者らが開発した18項目の認知症高齢者のおだやかスケール(Dementia elderly ODAYAKA Scale :DEOS,以下DEOS)の特徴と使用可能性を検討することである。 今年度は、信頼性と妥当性が検証された18項目DEOSを調査用紙として、3名の対象者(グループホーム、デイサービス、訪問看護の3施設)に対してプレテストを行った。施設利用を始めたばかりの利用者や認知症ケア(各種セラピーなど)の前後の効果を評価することを考慮して対象者の選定をしたが、ケア内容が変更になったり、対象者の病状や状況が変わったことが影響して、現時点では、ケアの効果としてみるのは難しいことが明らかになった。3名の調査結果の分析は未実施であるため、今後、分析を進めていき、どのような対象者の状況を評価するのが、DEOSを効果的に活用できるのかを検討していく。 DEOSは一時的な状態を評価するのではなく、数週間から月単位の変化を評価するものであり、調査(評価)には時間がかかるが、29年度は、症例数を増やしながら、DEOSをどのように使うと効果的なのか、その使用可能性について具体的な示唆が得られるように調査を進めていく。筆者らの先行研究では、アルツハイマー病と脳血管型認知症では、DEOSの得点分布に差があることが示唆されているため、症例数を増やしていくことで、その傾向を再確認して、看護やケアなどに実際に活かせるようにしていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度に18項目DEOSの信頼性と妥当性について発表する作業(論文投稿から論文掲載に至るまでの作業)が、主たる研究となったため、調査まですることができなかった。28年度は、倫理審査の承認を受けて、プレテストまで実施する運びとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度は最終年度となるため、本調査と分析を進めていきたい。そのためには、プレテストで得られた結果を分析して、具体的なDEOSの使用方法を検討していく必要がある。対象施設のスタッフなどからのご意見や情報をふまえながら進めていきたいと考える。
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Causes of Carryover |
本年度に国際学会の参加のための外国旅費の捻出を計画していたが、業務の都合上、参加することができなかった。また、調査もプレテストにとどまっており、本調査を行わなかったことで国内旅費等の支出が少なかったことが大きな理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度は、アルツハイマー病国際学会に参加して、本テーマの関連研究についての成果発表も行う予定のため、その旅費や参加費などを要する。また、本調査にかかる国内旅費を計上する必要がある。29年度は最終年度となるため、詳細は未定ではあるが、成果発表のための費用が必要となる。
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