2016 Fiscal Year Research-status Report
介護保険施設等に勤務する看護師のエンプロイアビリティに関する研究
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15K11750
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Research Institution | 湘南医療大学 |
Principal Investigator |
牛田 貴子 湘南医療大学, 保健医療学部看護学科, 教授 (00279910)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | エンプロイアビリティ / 高齢者ケア / 介護保険サービス / 看護職 / 尺度開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度に実施予定であった介護保険施設等看護職を対象とした調査を、約6か月遅れの平成28年5月~8月に実施した。この調査の目的は、介護保険サービスの現場に勤務する看護師が、自らのエンプロイアビリティ(どの職場でも通用する看護実践力)を評価できる測定尺度(試作版ver1)を作成することである。測定尺度項目原案は、研究者らの「高齢者ケア施設における看護職のエンプロイアビリティの構成要素」を構成概念とした63項目で5件法とした。 九州地区を除く全国15種類の介護保険施設等1,735施設に配布した調査紙は2,870、有効回収数は639(回収率22.3%)であった。女性が95%で、50歳代が39.0%ともっとも多く、看護師が69.8%、常勤が81.5%であった。63の調査項目の中から分布に偏りがないこと、介護保険サービスの種類による特徴を示さないこと、項目間で強い相関がないこと等により22項目を採用した。22項目を因子分析して固有値が2.0以上の4因子を抽出し、「専門性を発揮する力」「ケアを追求する力」「職場でつながる力」「寛容な対応をする力」と命名した。それぞれの因子負荷量は0.47以上、累積寄与率は49.43であった。Cronbachのα信頼係数は0.89であった。22項目は測定尺度項目原案の「高齢者ケア施設における看護職のエンプロイアビリティの構成要素」のカテゴリーから均等に選出されていた。 以上のプロセスを経て、22項目4因子で構成される信頼性・妥当性のある簡便な尺度が作成できた。これは平成28年6月に看護系学会にて発表予定で、研究者とのディスカッションを経て、さらに尺度の精度を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年目が所属大学の開学年にあたり、研究費運用システムや研究倫理審査等が整わず、実質的には10か月程度遅れて研究活動を開始した。これにより調査依頼時期が年度末・年度初めにあたり、半年分程度までしか進捗状況を回復させることしかできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
学会発表が一年遅れとなってしまったため、別の方法で研究協力施設の確保も並行してすすめている。まだ研究費運用システムや研究倫理審査等が迅速に円滑に稼働している状況ではないが、平成28年冬に実施予定であった2回目の調査は、6月に倫理申請を出して承認され次第実施の予定である。
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Causes of Carryover |
平成28年冬に実施予定であった2回目調査が遅れているため、郵便料金や事務用品の使用を予定していた額が残っている。また研究データ入力等の人件費を迅速に活用できないため、使用できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年秋までには第2回調査を終える予定である。学会発表も一年遅れとなったが発表予定である。また今後の研究協力病院の確保の目的も合わせて看護管理者が多く出席する看護系学会に幾つか参加予定であり、旅費等の支出を予定している。
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Research Products
(1 results)