2017 Fiscal Year Research-status Report
介護保険施設等に勤務する看護師のエンプロイアビリティに関する研究
Project/Area Number |
15K11750
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Research Institution | 湘南医療大学 |
Principal Investigator |
牛田 貴子 湘南医療大学, 保健医療学部看護学科, 教授 (00279910)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | エンプロイアビリティ / 高齢者ケア / 看護実践力 / 地域包括ケア / 尺度開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年5月~8月に実施した介護保険サービス15種に勤務する看護職を対象とした全国調査の結果を分析し、22項目4因子で構成される「看護職のエンプロイアビリティ(どの職場でも通用する看護実践力)測定尺度(試作版Ver.1)を作成した。この尺度作成に関して、平成29年6月に開催された日本老年看護学会にて発表した。参加者とのディスカッションでは、4因子すなわち「専門性を発揮する力」「ケアを追求する力」「職場でつながる力」「寛容な対応をする力」で構成される信頼性・妥当性のある簡便な測定尺度であることに関して異論はなく、病院看護師のキャリアラダーと比べると「専門性を発揮する力」の質問項目にオリジナリティが高いという意見を得た。また地域包括ケア時代の看護基礎教育において、「これらの看護実践力をどのように教育すべきか」に関して意見交換を行った。現在、さらに看護師の経験がこの尺度にどのように影響するのか、年齢、通算年数、職場継続年数から分析し、看護基礎教育との関係について考察した研究発表を、看護系学会に演題登録している。 今後、試作版Ver.1を用いて病院に勤務する看護師を対象とした調査②、および看護管理者を対象としたインタビューの調査③を実施する予定である。現在はこれら調査の準備の段階である。特に調査②では、研究計画段階で協力承諾を得ていた病院での調査が不可能となり、新たな研究協力先を探してきた。病院だけでなく、介護保険サービスや福祉施設等の多様な職場での勤務経験がある看護職が、ある程度の数所属している研究協力病院の協力が必要となる。引き続き、学会参加者やホームページ等の情報から探していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
調査②を予定していた病院の協力を得られなくなったことが、理由にあげられる。調査②では、病院勤務だけの臨床経験の看護職と介護保険サービスや福祉施設等の多様な職場での勤務経験のある病院勤務の看護職との比較が欠かせない。現在、訪問看護と病院との人事交流をシステム化している事例もあるが、施設看護や通所看護等との交流に関する情報は少ない。 もう一つの理由に、研究開始当初には予想していなかった認定看護師養成課程開設の準備、大学院開設の準備等の兼務が発生し、当該研究に関するエフォートが減少している点がある。
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Strategy for Future Research Activity |
調査②の協力施設については、看護系学会等での病院管理者からの情報やホームページ等から、積極的に探っていく。職能団体の協力も検討している。 平成30年度は研究の最終年となるが、認定看護師養成課程の開講年となり、当該研究に関するエフォートの回復は困難である。そのため研究機関の延長を検討している。
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Causes of Carryover |
郵送調査を予定している調査②の未実施、および調査③の依頼(交通費)が未実施のため、次年度使用額が発生した。今後これらに使用予定である。
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