2018 Fiscal Year Research-status Report
軽症脳卒中患者への急性期から在宅までのシームレスな再発予防支援プログラム開発
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15K11759
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
鳥谷 めぐみ 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (00305921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粟生田 友子 獨協医科大学, 看護学部, 教授 (50150909)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 軽症脳卒中 / 再発予防 / プログラム開発 / シームレスケア |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度から今年度にかけて,収集したデータを質的帰納的に分析した.脳卒中の急性期治療を実施している2施設に依頼し,23名の高齢軽症脳梗塞患者を対象者に入院時および退院後の初回外来時に,病気の受け止めや健康管理,再発に関するインタビューを行った.対象者は65歳から88歳までで,初発者14名,再発者4名,重症者5名であった.現在は初発者を中心にデータ分析を実施している. 分析の結果,高齢軽症脳卒中患者の再発リスク認知の構造として,6つのカテゴリー,27のサブカテゴリーが抽出された(図1).入院前の健康と症状の認識として《これまでの自分の健康状態について自信がある》状態にあり,脳梗塞の症状のあいまいさから《違和感や身体の変化に気づきつつもやり過ごす》ため,早期受診につながらない様子が示された.入院後は病気や再発リスクについて《気になる症状はあるが生活に支障がない》《再発は気がかりだが成り行きにまかせようと思う》《医療者から病気や再発予防の詳しい説明はない》という認識が示された.退院後の健康管理については《健康に関わる生活習慣を整える》内容が語られた.高齢軽症脳卒中患者の再発リスク認知は,入院前の自分の健康状態に自信があり,脳梗塞の症状のあいまいさから病気と認識しにくい状況があること,生活に支障がないため再発リスクへの危機感や重大性は認識されにくいことが明らかになった.さらに,医療者からの病気や再発予防に関する詳しい説明がないため,再発予防の意識づけがされずに,一般的な健康管理として生活習慣を整えようとしている構造が示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
データ分析に時間を要したこと,さらに2018年9月の胆振東部地震により予定していた分析会議が中断されさらに分析が遅れたため.
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Strategy for Future Research Activity |
質的分析が遅れたために,再発予防プログラムの開発が遅れたが,2019年度は再発者,重症者のデータ分析も進めながら再発予防プログラムの開発を進め,介入を行う予定である.
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Causes of Carryover |
質的分析が遅れたために,再発予防プログラムの開発にかかる会議費などが次年度繰越金となった.2019年度は再発者,重症者のデータ分析も進めながら再発予防プログラムの開発を進め,介入を行うための,謝金等が発生する予定である.
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Research Products
(2 results)