2016 Fiscal Year Research-status Report
外来看護における高齢者虐待徴候発見と対応のためのプロトコール開発
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15K11762
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
辻 玲子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (20644470)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 高齢者虐待 / 訪問看護師 / 外来看護師 / 継続看護 / 看護間連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、高齢者虐待が疑われる外来患者を地域に返す時に、病院外来看護師が連携を重要と捉えている訪問看護師にインタビュー調査を行った。そして「外来看護における高齢者虐待徴候発見・対応プロトコール」の作成に必要な要素の抽出を行った。 1)今回のインタビュー調査の概要 訪問看護師と外来・病棟看護師との現在の連携の実際と訪問看護師が病院からの継続看護に求めることを明らかにすることを目的に、2016年8月~10月に機縁法により2訪問看護ステーション看護師7名に、個別に約30分の半構成的面接調査を行った。 参加者は臨床看護歴平均19.7年であった。虐待疑い事例は皆遭遇していたが、病棟看護師長から相談を受けた1ケース以外は、外来看護師から直接連絡や相談をうけた人はいなかった。一方、訪問看護師から病院への連絡や相談は5ケースあった。外来看護師や主治医に、家族が付き添えず1人での外来受診がある可能性の情報提供や、受診できず薬が不足する事の相談、入院時に病棟看護師や師長に虐待疑い状況の情報提供などがあった。連携室の看護師に、本人・家族の思いを代弁して伝えていた。病院との継続看護の為に訪問看護師が欲しい情報は、キーパーソンの有無・理解度、家族との関係性であり、カルテの家族情報の更新を求めていた。加えて、虐待につながると予測できる事は、些細なことでも発信することを望んでいた。 本研究では外来看護師から訪問看護師への連絡・相談は確認できなかった。病院看護師と訪問看護師との連携を図るには、病院看護師が患者の在宅生活や家族背景に関心を持って、院内で得た情報を訪問看護師に伝え、情報を更新すること、いつもと違う気づきを伝える発信力が必要である。プロトコール開発では、上記の対応方法を反映・精選することが今後の課題にあがった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本来ならば、「外来看護師の為の高齢者虐待徴候発見・対応プロトコール」の作成・修正までが終わっている予定であったが、平成27年度からの進捗状況の影響で計画より遅れている。平成28年度は、訪問看護師へのインタビュー調査をまとめた所までは終了したが、上記プロトコールの作成中で完成には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、早期にプロトコールの原案を作成し、エキスパートパネルを行い、連携研究者や老年看護のエキスパートなどの意見をもらって修正する。そしてさらに洗練するために、そのプロトコールに関して急性期病院の外来看護師や看護部の方々の意見もいただき、現場に則しているものかを検証し、プロトコールを完成させる予定である。
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Causes of Carryover |
「外来看護師のための高齢者虐待徴候発見・対応プロトコール」が途中までしか作成できず、洗練するためのエキスパートパネルの実施まで平成28年度は至らなかった。結果、会場使用料、交通費、参加者への謝金やテープリライト料、データ整理の人件費が発生しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画は遅れたが、平成29年度は「外来看護師のための高齢者虐待徴候発見・対応プロトコール」案を早期に作成し、それを洗練させるためのエキスパートパネルを実施する。
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Research Products
(2 results)