2015 Fiscal Year Research-status Report
特別養護老人ホームにおける職場環境評価尺度の開発と組織コミットメントとの関連
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15K11779
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
緒形 明美 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80740696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小木曽 加奈子 岐阜大学, 医学部, 准教授 (40465860)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 職場環境 / 職場定着 / 施設管理責任者 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、施設管理責任者の職員に対する具体的サポートと職場環境の構成概念の検討・定義の指標を明らかにすることを目的に、職員の職場定着および人材確保・育成に対し積極的な取り組みをしている介護老人福祉施設5施設(全国を対象とし有意抽出)の施設管理責任者5名に、インタビューを実施した。 データ収集は、質問紙法と人材定着のための組織運営の取り組みと人的サポートについての2項目に対する半構造化面接法を行った。分析は、質的帰納的方法によって行い、データのコード化と分類、カテゴリーの名称を設定した。 分析の結果、得られたコードは41記述、13サブカテゴリーとなり、カテゴリーは3つ抽出された。カテゴリーは、<勤務体制の整備>など7サブカテゴリーから構成される【労働環境改善】と<施設内外の教育機会に参加>など3サブカテゴリーから構成される【能力開発】は組織運営に関する内容であった。一方、<施設管理責任者は職員に親身である>などから構成される【円滑な人間関係の構築】は人的サポートに対する内容であった。 職場定着および人材確保・育成に対し積極的な取り組みを実践している施設管理者の組織運営には、勤務体制の整備や業務の質の向上に務め、職務に対するモチベーションを高める取り組みや、職員構成は女性が多いことからライフイベントを踏まえ、女性職員に対する業務上の配慮や住居・施設内託児所など、職員のための生活環境の整備をする【労働環境改善】が考えられた。また、人材育成として施設内外の教育機会に参加することを奨励し、職種やキャリアに応じた教育や新人に対する育成の強化を図り、職員の【能力開発】に力を入れていることが示された。人的サポートにおいては、施設管理責任長は職員に親身であることや施設管理責任者は職員を思いやることが示され、職員間は協力的であるよう【円滑な人間関係の構築】がされていることが考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ収集と分析により施設管理責任者の職員に対する具体的サポートと職場環境の構成概念の検討をし、定義の指標を考察することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の結果、および申請者らの先行研究を基盤とし、職場環境に関して組織行動学、経営学、看護管理学等、他領域まで含めた文献検討により概念の整理・概念分析をし、測定概念を明確にする。その後、職員を対象としたフォーカスグループインタビューおよび老年看護学分野の研究者からの意見を集約をすることにより、尺度作成に必要な質問項目を検討する。
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Causes of Carryover |
平成27年度から平成28年度への繰越金額は12,5333円である。これは、調査旅費について交通費・宿泊費を予算金額より抑えたためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は、繰越分を消耗品および研究会の費用にあてる。
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Research Products
(1 results)