2015 Fiscal Year Research-status Report
高齢嚥下障害患者における呼気抵抗負荷トレーニング(EMST)の効果
Project/Area Number |
15K11780
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
石亀 敬子 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 助教 (20742612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加賀谷 斉 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40282181)
青柳 陽一郎 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (30286661)
天野 瑞枝 藤田保健衛生大学, 保健学研究科, 教授 (40167961)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 嚥下障害 / 呼吸訓練 / 高齢者 / EMST / 呼吸機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、呼吸訓練法である呼気抵抗負荷トレーニング( expiratory muscle strength training :EMST)により、嚥下機能の強化と気道防御機構である咳嗽力を向上させ、嚥下障害による誤嚥性肺炎を予防することにある。EMSTと最大咳嗽量との関連をみた研究の対象者はパーキンソン病患者や健常成人である場合がほとんどであり、高齢嚥下障害患者を対象とした研究はない。そのため、本研究では高齢嚥下障害患者を対象に、EMSTが嚥下機能、最大咳嗽量と呼吸機能、認知機能、気分プロフィール検査、ADLにどのように影響するかを明らかにする事を目的としている。 現時点で嚥下障害の診断を受け、研究協力に同意し、署名が得られた高齢者 8名に対し、EMSを実施した対照群3名とコントロール群5名に前後で嚥下機能、最大咳嗽量と呼吸機能、認知機能、気分プロフィール検査、ADLの測定を行った。対照群は4週間のEMSTをプロトコール通りに実施することができているが、嚥下機能に関しては改善が1名、変化なしが2名であり、コントロール群では改善が2名、変化なしが3名であった。最大咳嗽量と呼吸機能においては対照群1名、コントロール群2名に値の上昇がみられた。認知機能、気分プロフィール検査、ADLは対照群、コントロール群ともに前後で大きな変化は見られなかった。対象者が少数であるため統計的差を確認することはできていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
呼気抵抗負荷トレーニング( expiratory muscle strength training :EMST)を理解したうえで実施できることが条件となるため、認知機能がある程度維持されている対象者が少なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度同様に対象者にEMST 実施・測定・評価を行い、適宜学会等で成果の発表を行う。 今年度は対象2施設のうち、1施設の高齢嚥下障害者で実施・測定を行ったが、測定機器の追加が可能となったため、2施設で実施・測定を行うことで、症例数を増加させる予定である。
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Causes of Carryover |
対象者数が少なかったため、消耗品の使用が在庫で賄えたため購入が無かった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度はオートスパイロメータの付属品(呼気筋力測定器)の追加と測定用の消耗品の購入予定である。
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