2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K11785
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
稲垣 宏樹 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (00311407)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 高齢者 / 精神的健康 / 他者評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢化の進行に伴い今後も認知症高齢者の増加が見込まれる中,認知症になっても住み慣れた地域で,本人の意思が尊重され,その人らしい生き方を選択できる体制を構築,すなわち,認知症高齢者ならびに介護者のQuality of Life(QOL)の向上が求められ,体制作りが進められている.QOLの主要な構成領域のひとつに精神的健康を挙げることができる.最終的なQOLの評価には,対象者本人の精神的健康の測定は非常に重要であるが,認知症高齢者の場合,記憶障害および言語機能障害のために,自身の主観的な心理状態を表現することに困難を伴いと同時に,回答の信頼性を確認することが困難である.加えて,代表的な精神的健康の評価尺度の多くは,自記式,または対象者本人の自己評価によるものであり測定方法上の問題として実施自体が困難であることも多く,かつ回答の信頼性も保障されない.以上より,認知症高齢者の精神的健康の評価に際しては,自己評価と同程度の信頼性,妥当性を有する他者評価尺度のニーズは高いと考えられる.さらに,尺度は項目数や選択肢を極力減らし,記入に時間がかからないことも重要な要件である.以上を踏まえ,本研究では,認知症高齢者において利用可能な他者評価式精神的健康尺度を開発することを目的としている. 平成27年度は,項目プールの作成および予備的選択を目的に,既存の精神的健康尺度で使用されている項目の収集と他者評価尺度の作成手順に関する情報の収集を行い,調査票を作成した.一部の検査についてはデータの収集を開始した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一部の調査フィールドで調査開始準備が遅れ,データ収集が当初想定していたより難航している.
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Strategy for Future Research Activity |
継続してデータ収集に当たる.当初予定していた調査フィールドで調査が開始できるよう準備を進める.データ収集のペースを上げるために,調査員やデータ整理のための人員を雇用するなどの方策を検討する.
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Causes of Carryover |
一部調査フィールドでの調査開始が遅れ,調査員を雇用するために申請していた人件費がほぼ未使用だった.また,海外での成果発表を予定していたが,多事業とのスケジュール調整がつかず,当初予定していた国際学会に参加できなかったため,旅費の一部が未使用だった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データ収集のペースを上げるために,調査員やデータ整理のための人員を雇用するための人件費として使用する.また,得られた成果について国内外の学会で公表するための旅費として使用する.
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Research Products
(19 results)
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[Journal Article] Development of the Japan Science and Technology Agency Index of Competence to Assess Functional Capacity in Older Adults: Conceptual Definitions and Preliminary Items2015
Author(s)
Iwasa H, Masui Y, Inagaki H, Yoshida Y, Shimada H, Otsuka R, Kikuchi K, Nonaka K, Yoshida H, Yoshida H, Suzuki T
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Journal Title
Gerontology and Geriatric Medicine
Volume: 1
Pages: 1-11
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] 高齢者用集団版認知機能検査ファイブ・コグの信頼性と妥当性の検討2015
Author(s)
杉山美香, 伊集院睦雄, 佐久間尚子, 宮前史子, 井藤佳恵, 宇良千秋, 稲垣宏樹, 岡村毅, 矢冨直美, 山口晴保, 藤原佳典, 高橋龍太郎, 粟田主一
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Journal Title
老年精神医学雑誌
Volume: 26
Pages: 183-195
Peer Reviewed
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[Presentation] 要介護度・日常生活自立度からみた100歳以上調査参加者の代表性の検討-SONIC100歳非都市部データを用いた検討-2015
Author(s)
増井幸恵, 権藤恭之, 中川威, 小園麻里菜, 石岡良子, 稲垣宏樹, 池邉一典, 神出計, 新井康通, 石崎達朗, 高橋龍太郎
Organizer
日本老年社会科学会第57回大会
Place of Presentation
パシフィコ横浜(神奈川県・横浜市)
Year and Date
2015-06-12 – 2015-06-14
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[Presentation] Effects of Anti-hypertensive Medication on Cognitive Function in Older Subjects: The SONIC Study2015
Author(s)
Ryuno H, Kamide K, Gondo Y, Nakama C, Oguro R, Kabayama M, Ikebe , Masui M, Inagaki H, Ishizaki T, Arai Y, Rakugi H
Organizer
The International Association of Gerontology and Geriatrics European Region 8th Congress
Place of Presentation
Dublin (Ireland)
Year and Date
2015-04-23 – 2015-04-26
Int'l Joint Research