2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K11789
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
水野 恵理子 山梨大学, 総合研究部, 教授 (40327979)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 みすず 飯田女子短期大学, 看護学科, 教授 (00461872)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 統合失調症 / スティグマ / ソーシャル・キャピタル / 地域精神看護 / アジア圏 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、統合失調症患者と周囲の人が捉えるスティグマ、スティグマとソーシャル・サポートの関係を明らかにし、統合失調症患者が社会で生きていくことを支える地域力の意味を考察することである。 2015年度は、統合失調症、精神医療のスティグマ、ソーシャル・キャピタル、台湾・香港・シンガポール・イタリアの文化と精神医療に関する文献検討、アジア諸国の精神保健医療福祉の施設見学と情報交換、面接ガイトの作成を計画としていた。文献検討の結果、ソーシャル・キャピタルの概念、欧米諸国とアジア諸国における意味の違い、ソーシャル・キャピタル測定尺度の未確立、住民の交流・連帯への介入が精神疾患のスティグマに与える影響、住民と精神疾患患者の接触機会を増加させる活動、施設内看護と地域看護がスティグマ認知への関与が明らかとなった。視察は、香港の友楽坊黄大仙クラブハウス、Justone 精神保健支援センター、台湾のFresh Leafクラブハウス、Easy Coffee就労支援施設、孫媽媽工作坊、シンガポールのInstitute of Mental Healthの回復期病棟、デイケア、ケアセンター、Yishun地域リハビリテーション支援センター、Simeiケアセンター、Hillview就労支援サービス、各施設スタッフとの討議、シンガポール大学看護研究員との情報交換を行った。各国の文化・生活習慣・家族関係・宗教・民族性・医療制度が精神保健医療福祉に色濃く反映していることがわかった。 2016年度は、前回の科研成果の一部である統合失調症の回復に対する職種による捉え方の違いを8th International Conference on Social Work in Health and Mental health (2016年6月シンガポールで開催)で発表し、国内での個別面接調査を進める予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年度に計画していた、文献検討および精神保健医療福祉施設の視察の80%は実施でき、2016年度に計画していた調査準備に着手しているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
文献検討と施設視察の結果を整理し、前者については精神看護領域の学会で発表する予定である。また、2015年度に計画していた、地域精神医療の改革を先駆的に行っているイタリアトリエステの精神保健医療施設の視察を2016年度中に行えるよう調整している。さらに、2016年度の計画である、外来通院中の統合失調症患者、精神医療福祉専門職、一般住民に対する個別面接調査を実施すべく、現在対象施設の承諾を得る等の準備を行っている。
|
Remarks |
http://erdb.yamanashi.ac.jp/rdb/A_DispInfo.Scholar/4_5_3/478E1393B86E89D1.html
|