2017 Fiscal Year Research-status Report
早期退院を目指した精神科急性期病棟へのリカバリーとパートナーシップモデルの適用
Project/Area Number |
15K11791
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岡本 亜紀 岡山大学, 保健学研究科, 講師 (10413527)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 包括型地域生活支援(ACT) / リカバリー / 精神障害 / 病院看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,精神科病院の急性期医療において,病院看護師の考えや姿勢,態度をリカバリー志向に転換し,患者,家族,医療者のパートナーシップ形成の具体的方法に取り組み,病院へのリカバリー概念の適用を解明することである。 29年度は,病院看護師を対象として,包括型地域生活支援プログラム(Assertive Community Treatment::ACT)への関心や希望に関する現状分析を行った。ACTは地域で生活する重度の精神障害を持つ人々を対象に,疾患モデルではなくストレングスモデルを重視した彼らのリカバリーを目的とする。現状分析の意義は,今後,看護師がリカバリー概念を理解し広く応用するための課題抽出につながる。 対象者(N=121)の概要:正看護師110人(90.9%),女性93人(76.9%),年齢平均45.71歳(範囲21-66),精神科臨床年数平均114.81年(範囲3-425)。ACTの見聞あり94人(77.7%),興味関心あり93人(76.9%),おおよそ理解している41人(33.9%)。ACTで働く希望あり30人(24.%)。 働いてみたいと思わない理由の記述結果:71コードが抽出された。理解できておらずよく知らない(11),難しいと思うので自信がない(8),加齢により健康状態に問題あり(6),興味・関心がない(6),24時間は大変そうで難しい(6),近く退職予定(5),まだ精神科看護の知識と経験が不足(5)などが抽出された。(分析中) 精神障害を持つ人の早期退院と地域でのリカバリーを目指すには,病院看護師がACT実践を体験することでリカバリー概念の理解を深め,概念を普及し応用させることが効率的と考えられるため,引き続き,リカバリー概念を理解するための研修やリカバリー支援方法の適用について,その効果と課題を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
過去に実施したリカバリー概念の理解を促進するための体験型研修プログラムの参加希望者数(評価対象数)は少なかった。改良した研修プログラム実施と評価に先行して,評価対象数の確保および研修効果を縦断的に維持することへの課題を明確にし,その対策を検討する必要性が生じたためである。
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Strategy for Future Research Activity |
リカバリー概念を理解するACT体験型研修に参加できる病院看護師の募集において,訪問看護の新体制を組織し実施(予定)の医療機関に限定して,これまでの成果を基に構造化した研修実施と評価を行うこととする。
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Causes of Carryover |
研修実施と評価を延期したため,次年度使用額が生じた。 研修実施と評価に際して,研修運営(会場費,参加者募集の通信費,見学実習費等),評価(データ分析と管理,ACT専門機関と認知行動療法専門家によるスーパーバイズ,講師依頼と旅費等)に使用する計画である。
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Research Products
(2 results)