2017 Fiscal Year Research-status Report
地域で暮らす統合失調症の人の睡眠と生活リズムに関する保健行動とその関連要因
Project/Area Number |
15K11802
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
三橋 美和 同志社女子大学, 看護学部, 准教授 (60347474)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 地域看護 / 睡眠 / 生活リズム / 保健行動 / 統合失調症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域で暮らす統合失調症を有する人の睡眠と生活リズムの安定を図る援助のための基礎的研究である。統合失調症をもちながら地域で暮らす人を対象として、睡眠と生活リズムとその保健行動の実態を把握するとともに、保健行動に影響を及ぼす要因を環境面も含めて明らかにし、有効な援助方略について検討する。 平成29年度までに、データ収集を終了し、分析作業を進め、結果の一部は公表を行った。 分析対象者は220名、年齢は45.3±10.3歳である。 睡眠健康危険度総得点は4.39±2.13点と一般男女、高齢者等と比較して高く、本研究対象者の睡眠健康が不良であること、下位尺度では睡眠維持障害と入眠障害が高いことが示された。睡眠時間は7.5±1.8時間、規則的と回答した人が約6割ある一方で、起床・就床時刻が不規則な人や、睡眠の満足度や日中のすっきり度が低く、睡眠と生活リズムの健康が良好でないと感じている人がそれぞれ1割程度あることが示された。 主に過ごす場所を職場、デイケア及び作業所、自宅の3群に区分して比較した結果、就労群は自宅群に比べて睡眠健康危険度が低いものの標準化得点で68.7点と、就労している人も良好な睡眠や生活リズムとは言えず、他の群と同様に支援が必要であることが示された。 GAFの高低による比較では、GAF低群は、抗精神病薬量が多く、訪問看護等サービスの利用頻度が高く、主にすごす場所が職場の人が少ないことが示された。しかし、睡眠と生活リズムに関する保健行動及びその要因では、起床時刻がやや遅く、睡眠時間がやや長いこと、社会関連性特典が低いこと以外は差が見られなかった。これらのことから、精神疾患の病状・障害の程度は、睡眠や日中の行動に直接影響する症状をのぞき、睡眠と生活リズムの健康や保健行動、その要因との関連は小さい可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ収集を終了し、分析もほぼ終了しているが、結果のまとめ作業に遅れが生じているため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き結果のまとめと公表を進める。
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Causes of Carryover |
データ収集を終了し、分析と結果のまとめを行っているが、結果のまとめ作業に遅れが生じているため次年度使用となった。次年度はまとめ作業と公表を進める。
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Research Products
(1 results)