2016 Fiscal Year Research-status Report
精神科訪問看護療養費算定に係る研修受講後のブラッシュアップ研修の開発
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15K11804
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
片倉 直子 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (60400818)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松澤 和正 帝京大学, 医療技術学部, 教授 (00383092)
井上 洋士 放送大学, 教養学部, 教授 (60375623)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 訪問看護 / 認知機能障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、ブラッシュアップ研修計画を作成するために、下記の2点について調査を行った。 ①精神科訪問看護療養費算定要件の研修を受けた、訪問看護ステーション看護師3人に、研修内容に関する意見と、その後必要な教育ニーズをインタビューした。特に、精神科訪問看護の経験が短い看護師は、利用者の変化やケアニーズがアセスメントできず、自分の実践について自信がもてていなかった。また、すべての看護師が、利用者の精神状態や内服薬の副作用などの体系的なアセスメントを使用しておらず、経験から知識に基づいてケアを提供していた。社会資源の活用方法についても、介護保険と異なることから、知識不足を述べていた。 ②精神科医療・看護のエキスパートとして、ワシントン大学看護学部精神看護学分野のDr. Kozukiから、研修内容や研修用テキストについて助言を得た。Dr. Kozukiは、Psychiatric mental health nurse practitionerとして実践を行っていることから、時間制限のなる訪問看護場面で使用可能なアセスメントを選択した。また、米国では、統合失調症の認知機能障害に焦点があたっていることを示した(科研費以外の研究費で施行)。 ①②より、特に統合失調症に焦点をあてて、生活をするうえで困難を生じている認知機能障害のアセスメントと、それに対するケアを含めた研修内容を検討した。研修で使用するテキストの事例や、薬物の副作用のアセスメント様式などを追加し、Dr.Kozukiと洗練を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研修テキストがほぼ完成しており、今年度は、訪問看護ステーションにおける実用可能性を検討できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、テキストを用いた研修を、精神科訪問看護療養費算定要件の研修を修了した看護師に実施し、実用可能性を検討する。 ブラッシュアップ研修の目的に,今年度までの結果とともに統合失調症をもつ者に対する看護師自らの偏見や先入観を気づくことも含める。ブラッシュアップ研修の学習目的および目標を達成できたか受講した看護師にたずねる質問紙調査を行う。また了承が得られた看護師にインタビュー調査を行う。質問紙とインタビュー調査にもとづき,ブラッシュアップ研修を完成させ,運営ガイドラインを作成する。
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Causes of Carryover |
海外エキスパートからの助言のための旅費を2人分計上していたが、渡航できたのが1人だったので、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度、訪問看護師への研修の際に、海外エキスパートを招聘する可能性がある。
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