2015 Fiscal Year Research-status Report
回復期脳血管障害患者と家族の家族機能改善・強化のための看護介入とその効果
Project/Area Number |
15K11808
|
Research Institution | The University of Shimane |
Principal Investigator |
梶谷 みゆき 島根県立大学, 看護学部, 教授 (00280131)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 健司 島根県立大学, 看護学部, 助教 (10462037)
加藤 真紀 島根県立大学, 看護学部, 講師 (70331816)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 家族看護 / 脳血管障害 / 家族機能 / 介入評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
回復期脳血管障害患者と配偶者に対して、「感情の安定化」と「療養生活における目標の共有化」をめざした看護介入により、対象夫婦の家族機能の回復・強化を図ることめざしている。本研究では、①介入プログラムの精度を確認するための介入事例の蓄積②介入プログラムの臨床での活用性を高めるため、医療現場の看護スタッフによる家族看護介入の、大きく2つの柱立てで研究を展開している。 介入プログラムは、カルガリー家族看護アセスメントならびに看護介入モデルを基盤とし、家族面接(本研究では患者と配偶者が対象)と教育的介入を主軸として展開している。また、介入のアセスメントならびに介入の評価には、FAD(Family Assessment Device)と自己効力感尺度、事例毎の質的評価を行っている。 平成27年度は、①の介入プログラムの精度を高める研究を主として展開した。これまでの介入事例(平成24~26年度基盤研究C)とあわせて計14事例とした。あわせて対照群のデータ蓄積も行いこちらも14事例の蓄積ができた。特異的なパターンを呈した各群の1事例を分析対象外とし、計26事例で分析した。結果、介入前の患者と配偶者における家族機能は、「情緒的干渉」で機能低下があることが確認できた(<.05)。看護師が早期から夫婦間の感情の安定化に向け働きかける意義が確認できた。対照群と介入群において、各13事例による2群間のFADを比較した。その結果、介入群において得点上は家族機能の改善傾向を認めたものの、対照群との有意差は認めなかった(<.05)。家族構成や年齢、生活機能などの背景別では意思疎通や情緒的干渉等で有意差を認めた(<.05) 平成28年度は、介入事例の更なる蓄積と、介入プログラムを臨床の看護スタッフが活用できるよう準備を進める予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
介入プログラムの精度を高めるべく、介入事例を蓄積し対照群との比較を行うことにより、本介入プログラムの有効性を確認すること、また介入プログラムにおける課題整理を行い精度を高めることをめざしているので、その点では概ね順調といえる。研究の展開スピードを高めたいと考えているが、対象の選定条件を厳密にしているため、条件に対応する夫婦の研究協力事例が限定されることから、少し時間を要している。 2つめの研究の柱である②介入プログラムの臨床での活用性を高めるため、医療現場の看護スタッフによる家族看護介入を展開する研究活動は、介入手順の検討が遅れているため、全体としてやや遅れ気味である。
|
Strategy for Future Research Activity |
医療現場の看護スタッフに活用しやすいよう、介入の手順を簡潔で分かりやすいものにブラッシュアップしていく必要があるが、現時点では十分な検討ができていないので、これまでの実績を踏まえ、共同研究者との討議機会を増やし、手順書の改善と使いやすさについて検討していきたい。 あわせて、協力予定の医療施設看護部門との協議を本格化し、準備を進める。
|
Research Products
(1 results)