2016 Fiscal Year Research-status Report
尊厳ある死を目指す訪問看護師の予後予測を基盤にした合意形成アプローチモデルの開発
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15K11812
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Research Institution | Kagawa Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
片山 陽子 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (30403778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長江 弘子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (10265770)
酒井 昌子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (60236982)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 予後予測 / 訪問看護師 / 意思表明支援 / チームアプローチ / 合意形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、①尊厳死を目指した訪問看護師の予後予測と合意形成を明らかにすることを目的に、尊厳死と判断した療養者の看取りを経験した訪問看護師を対象に、個別インタビューを実施した。対象とした訪問看護師は12名であった。対象選定は、研修趣旨、協力依頼文書を提示し選定要件に合致した対象を公募によって選定した。 ②卓越した実践をしているエキスパートナースによる療養者の意思表明支援とケア提供のターニングポイントおよび療養者の意向を実現するためのサービス提供者間の合意形成の構造を明らかにすることを目的に、専門看護師を対象にフォーカスグループインタビューを実施した。対象選定は、研修趣旨、協力依頼文書を提示し選定要件に合致した対象を公募によって選定した。専門看護師の専門領域は、在宅看護、地域看護、家族看護、慢性看護であり、在宅看取りおよび在宅移行期の支援の経験を有する者7名であった。 ①における訪問看護師を対象としたインタビュー調査の結果から、療養者の状態変化は疾患名に関わらず、療養者の生活状況である食事や排泄など日常生活行動の出現状況や変化によって予後予測をしてる視点が明らかになり、さらに身体状況の変化に加えて、療養者の言動の変化にも着目し予後予測をしていることが新たな視点として見出された。 ②における専門看護師を対象としたフォーカスグループインタビュー調査の結果から、療養者の意思表明の内容は「療養場所」に関する内容と「生活のしかた」に関する内容が多く、それらの意向の実現にむけてケアの組みかえ、サービス担当者との調整をしている状況とその方略および合意形成の上での工夫店と困難点が明らかとなった。 上記、①②の結果については平成29年度の関連学会にて公表し、論文化を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度計画していた以下の進捗状況によって評価した。 平成27、28年度に実施した文献レビューと平成28年度実施のインタビュー調査の結果の分析を進め、その結果をもとに複数回のフォーカスグループインタビューを実施予定であったが、分析の進捗の遅れと対象者との日程調整の関係上、フォーカスグループインタビューの実施回数は1回のみとなりデータ収集が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、平成27年、28年度に実施したインタビュー調査とともに、対象数を増やしてデータを蓄積し、尊厳死を目指す訪問看護師の予後予測と合意形成の構造化をこころみる。そして、予後予測指標、チームアプローチにおける合意形成評価の指標に関する文献分析を実施し、これらを基盤にアンケート調査を設計して構造化した訪問看護師の予後予測と合意形成に関する構造の信頼性と妥当性を検証する
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Causes of Carryover |
インタビュー調査の実施計画に遅れが生じたため差額が発生した
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度にインタビュー調査、量的アンケート調査を計画とおりに実施し使用する予定である
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Research Products
(3 results)