2016 Fiscal Year Research-status Report
訪問看護師の「問題状況自己診断スケール」と診断の手引きの開発
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15K11817
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
鈴木 美和 淑徳大学, 看護栄養学部, 准教授 (20396691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟島 なをみ 千葉大学, 大学院看護学研究科, 教授 (00229098)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 訪問看護師 / 問題解決力 / 訪問看護ステーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、訪問看護ステーションに就業する看護師が、自律的に問題解決し、さらにその問題解決力を向上させることを可能にする「訪問看護師の問題解決力向上システム」を開発し、その普及に向けて、システムの有効性を検証することである。この目的を達成するために、平成28年度は、次の計画に沿って研究を推進した。 平成28年度の研究推進計画は、前年度に引き続き「訪問看護ステーションに就業する看護師が直面する問題の全貌の解明」であった。 具体的には、1.訪問看護ステーションに就業する看護師が直面する問題について、質問紙調査を実施し、全貌を解明するためのデータを収集する、2.訪問看護師が直面する問題を看護教育学における内容分析を用いて質的帰納的に分析するという2点であった。 平成28年度の成果として、上記1のデータ収集を推進するにあたり、本研究の前段階として実施した訪問看護師の学習ニード・教育ニードアセスメントツール開発の際に収集したデータ分析を実施した。具体的には既存の記述データ約300記録単位を看護教育学における内容分析を用いて分析した。現在、基礎分析を継続中であり、この結果を踏まえて、追加データを収集する計画である。 次に、既存の記述データの分析と並行して、追加データの収集に向けた研究計画書を作成した。調査実施に向けて、平成27年度、大学内研究倫理審査に研究計画書を申請した。その結果、再審査となったため、平成28年度に指摘個所を修正し、再度、大学内研究倫理審査に研究計画書を申請した。その結果、条件付き承認の結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成27年度から継続した内容である平成28年度の研究推進計画は、「訪問看護ステーションに就業する看護師が直面する問題の全貌の解明」であった。研究推進にあたり、まず前段階の研究実施の際に収集した「訪問看護師が直面する問題」の記述データの分析に取り組んだ。データの分析は、質的帰納的方法を用いて実施し、現在基礎分析の途中である。質的データ分析の時間確保が、困難な状況にあり、研究推進の遅延を来している。 また、平成27年度には、研究推進にあたり、調査実施に向けて大学内研究倫理審査に研究計画書の申請を行った。その結果、研究計画書が再審査となり、その審査結果への対応が遅くなり、再審査への申請も遅延を来した。平成28年度、大学内研究倫理審査の再審査への申請を果たし、再審査の結果、条件つき承認を得ることができたので、再審査結果および現在進めている質的データ分析の結果を基に、研究結果の普遍化を導くデータ数を確保するために、次年度の研究推進にあたっては、不足データ数の明確化、データ収集、収集データの分析を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の研究推進計画は、訪問看護師が自己診断した問題状況を解釈し、自律的に改善するための指針となる「訪問看護師が問題状況を好転できたと知覚した行動」の内容を含めた診断の手引き開発が研究開始当初の予定であった。 しかし、研究の第1段階となる「訪問看護ステーションに就業する看護師が直面する問題の全貌の解明」が終了していない状況であるため、早急に第1段階の終了に向けて取り組む必要がある。具体的には、現在既存データの分析が50%の進行状況であり、この分析を約6ヶ月の期間内に完成させることを当面の目標とする。 また、同時並行的に、追加データの収集に向けて研究計画書に則り、データ収集計画を確定し、準備を整え実施する。具体的には、既存データの分析終了とともに追加データの収集を実施し、分析結果に追加データの分析を加え、結果を産出する。 産出した結果を学会等に発表する準備を行うとともに、結果に基づき訪問看護師が直面する問題を診断するためのツール開発に取り組み、ツール案作成、全国調査実施までを次年度の研究推進計画とする。
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Causes of Carryover |
平成27年度、平成28年度の調査計画が遅れており、調査紙の用紙および印刷代、郵送代、データ入力代、データ整理人件費等を使用する機会がなかったため、予算を使用することができなかった。また、情報収集および研究計画推進にむけた情報交換のための学会参加や研修参加の機会を有効活用することができず助成金を使用できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は、遅延しているデータ分析を終了し、追加データ収集のための調査紙の作成および印刷、調査紙の送付および回収、データの入力、データ整理に研究助成金を使用する。
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