2016 Fiscal Year Research-status Report
精神科看護師への自殺予防教育プログラムの普及に関する人材育成プログラムの開発
Project/Area Number |
15K11824
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
小山 達也 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (90408568)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 自殺 / 精神科 / 看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年度は、精神科病院で働く看護師のための患者の自殺予防プログラムの策定とプログラムのニーズを把握することが目的であった。 精神科病院で働く看護師のための患者の自殺予防プログラムでは、自殺リスクの認識、自殺リスクへの危機介入からプログラムの構成を検討している。自殺リスクの認識では、自殺の可能性のある人の早期発見のために、ゲートキーパープログラムおよび医療機関向けの自殺予防プログラムから内容を構成し、自殺リスクへの危機介入では、対応事例の提示事例案やロールプレイなどの方法論について構成を検討している。自殺予防プログラムのニーズでは、これまでに行われた研究結果から、危機介入のスキルに、性別、年齢、臨床経験年数、精神科経験年数、学歴、自殺念慮をもつ患者の対応経験の有無(頻度)、患者の自殺既遂体験とサポート状況、自殺予防の学習機会、患者以外の近しい人の自殺経験とサポート状況が影響していると考えられ、質問紙調査を準備している。 自殺予防に対する取り組みは、公衆衛生上から精神障害者当事者の回復まで、幅広い観点が含まれている。日本における精神科病床数は、世界の中でも多いことが指摘され、今後地域を主体とした支援体制の構築が求められているが、現在ある精神科病院で、患者の自殺予防に取り組むことは、患者が地域にもどり回復していくためにも重要である。また精神科でおきる事故の一つに、自殺があり、自殺予防に取り組むことは、医療安全の視点からも求められている。現在対象となる医療機関を選定しており、複数の精神科医療施設でプログラムのニーズ調査を実施したうえで、自殺予防プログラムの実施を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対象施設の選定に時間がかかっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
依頼する調査施設数を増加させ、プログラムのニーズを把握する上で、必要なサンプル数を得られるよう準備していく。また調査依頼に当たっては、自殺予防のための本調査の意義や必要性を十分に説明していく。
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Causes of Carryover |
自殺予防プログラム実施前に自殺予防プログラムのニーズ調査を実施する予定が、対象施設との調整で予定より遅れていることが原因である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予定されていた自殺予防プログラムのニーズ調査を実施して、予定変更になった費用を支出していく予定である。
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