2016 Fiscal Year Research-status Report
抑うつ障害群患者を対象とした「精神看護レジリアンスモデル」の開発
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15K11830
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Research Institution | Kwassui Women's College |
Principal Investigator |
岩瀬 貴子 活水女子大学, 看護学部, 教授 (80405539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩瀬 信夫 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (40232673)
應戸 麻美 活水女子大学, 看護学部, 助教 (20760474) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マインドフルネス / ストレス対処行動 / うつ病予防 / 地域住民 / ヘルピングスキル |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、開発した精神看護レジリアンスモデルを、抑うつ障害群患者を対象に介入研究を実施すること、精神科外来看護師への教育プログラム開発が研究計画であった。 精神科外来での実施は協力が得られず介入が不可であった。そのため、介入の準備段階として、大学における地域貢献として行った公開講座や看護相談室にて、地域住民を対象としプログラムの一部を実施した。内容は、うつ病予防や、自分自身の認知の傾向、ストレスとのつきあいかたなど、主にメンタルヘルスを中心とした内容に修正をした。具体的には、マインドフルネスや、ストレス対処行動、認知行動療法を取り入れたプログラムを2週間に一度実施をし、10回実施した。実施時は毎回参加者がかわるため、構造化したプログラムを実施することは困難であったが、参加者は、マインドフルネスに興味をもたれ、実施を希望されることが多かった。複数回参加された対象者からは、マインドフルネスの方法を毎日実施をされ、その結果睡眠時間の延長や熟睡感、イライラなど、アンガーコントロールができ、気持ちに余裕もつことができたなどの感想を得ることができた。 精神科外来看護師への教育プログラムの開発は、コミュニケーション技術訓練法として、ヘルピングスキルコミュニケーション訓練を中心に、弁証的行動療法で用いる承認の技法を取り入れ、教育プログラムを作成した。この簡易版を看護大学生用に作成し、精神看護学実習にも取り入れコミュニケーションの訓練とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は、抑うつ障害群患者の重症化を予防するための、抑うつ障害群患者のレジリアンスを促進する看護として、そのモデルを開発することが目的であるが、実際に抑うつ障害群患者に対し、外来で、プログラムを実施することは難しく、研究協力が得られにくいため、研究が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は最終年度である。臨床での協力が得られにくいため、臨床ではなく、地域住民を対象として、抑うつ障害群の予防プログラムとして、研究を進めることとする。また、プログラムの実施前と実施後の唾液アミラーゼ値の変化や、うつ病尺度、ストレスコーピング尺度など、評価指標の検討を充実させ、さらに、広い対象を募集し、実施する予定である。また、アロマを使用したプログラムを追加開発しており、対象者が自ら選択の幅を広げられるよう充実したモデルへと開発を進める。
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Causes of Carryover |
臨床から研究協力を得ることができなかったため、旅費等使用することがなかった。また、インタビューによるデータ収集も進まず宿泊費を伴う旅費等も使用していない。それに伴い、謝金や、データ分析等の人件費も不要となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、質的研究の充実を図り、インタビューによるデータ収集を予定しており、また臨床での介入研究の可能性を継続的に検討するため、対象施設の範囲を広げることを検討している。開発したモデルも再検討を始めており、アロマを利用したハンドマッサージ等を介入に追加することで、モデルの充実を図る。
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