2016 Fiscal Year Research-status Report
精神医療の行動制限最小化に参画するピアサポーターの教育プログラムの開発と普及
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15K11840
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
三宅 美智 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 精神保健計画研究部, 流動研究員 (20580814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 隆博 東海大学, 健康科学部, 准教授 (00433376)
末安 民生 岩手医科大学, 医学部, 教授 (70276872)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 精神科看護 / 隔離・身体拘束 / ピアサポート |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、ピアサポートに関する情報収集のために、学会への参加を行うとともに、ピアサポーターを雇用している精神障害領域の事業所、ピアサポーターの教育を積極的に行っている自治体などに、ヒアリングを行った。ヒアリングの内容としては、現在行っているピアサポート活動内容、ピアサポートに関わる当事者への研修・教育内容、ピアサポート活動への期待・課題などについてである。内容について詳細な分析は現在行っているところである。一部明らかになったこととしては、関係団体、自治体主催の研修を活用しながら、現場での具体的な課題、困っていることなどについては、独自に勉強会を開催して足りない内容について補う工夫をしていた。また当事者同士やスタッフに相談をしながら、ピアサポートの提供を継続していた。求められる研修内容として挙げられたのは、ピアサポートの基礎、個人情報の取り扱い、雇用に関することなど、基本的な知識と合わせて、相談場面におけるロールプレイが、特に役に立つということであった。地域では、ピアサポートの基礎やピアサポートを行っていく上での基本的知識から、相談場面での具体的な対応に関心が向けられているようであった。医療施設におけるピアサポートの可能性について、退院支援のイメージはしやすいが、入院直後などの急性期での接触は、あまり考えていないようであった。当事者によっては、その時期は医療施設に任せるべきだという考えを持っていた。 退院支援でのピアサポートについては、ピアサポーターも経験を重ね、提供できる内容もより充実したものとなっていた。一方、医療施設において、急性期の時期からピアサポートを提供することに関しては、イメージできない当事者も少なからず存在した。そのような現状を踏まえ、次年度は具体的な研修内容の提案、実施を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
海外視察を予定しているが、ピアサポートの教育プログラムの策定に役立つ組織の選定と調整が難航しており、実施できていない。教育プログラムに必要な内容について検討するにあたっては、視察だけではなく文献からの知見により補っていく。海外視察の調整は並行して行っていく。また海外だけではなく、日本でもピアサポーターを活用した新しい取り組みが行われているので、そこからも教育プログラムに必要な内容について抽出していく。
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Strategy for Future Research Activity |
すでにピアサポーターの育成を行っている自治体や事業所などをヒアリングすることにより、ピアサポーターの育成に必要な教育内容や課題が見えてきた。それに基づき、プログラムの概要ができつつある段階にある。そこに国内外のヒアリングによって、得られた知見も含め、策定した教育プログラムを実施する。
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Causes of Carryover |
海外視察の調整が難航しており、次年度使用額が生じている。また、購入予定の物品で未購入のものがあるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国内外のピアサポーターの育成に関わる施設の視察とヒアリングを予定している。また未購入の物品について今年度購入予定である。
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