2017 Fiscal Year Research-status Report
精神医療の行動制限最小化に参画するピアサポーターの教育プログラムの開発と普及
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15K11840
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
三宅 美智 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 精神保健計画研究部, 流動研究員 (20580814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 隆博 東海大学, 健康科学部, 准教授 (00433376)
末安 民生 岩手医科大学, 看護学部, 教授 (70276872)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 精神障害当事者の参加 / 行動制限最小化 / 研修プログラム / 隔離・身体拘束 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は海外のピアサポートの状況を明らかにするために、フランスのパリ、ナント2都市で、病院、地域事業所、当事者が活動運営を行っている団体等において、医師、看護師、当事者を対象にヒアリングを実施した。 フランスでも日本と同様にピアサポート活動は行われており、当事者が入院中の患者を訪問し支援する活動が試験的に始まっている地域(一例として挙げられた地域はボルドー)もあるということであった。 フランスではGroupe d'Entraide Mutuelle(略してGEM)という組織が、各地域に設置されており、政府の資金によって当事者による運営が行われている。今回ヒアリングを実施した団体「Le Nouveau Cap」はナント市に設置されたGEMの1つである。理念としては、クラブハウスモデルを参考にしており、その場所での活動は会員の合意のもと決定される。「Le Nouveau Cap」は、地域の中で当事者同士が助け合ったり、支えあったりする場所の提供を大切にしており、入院した仲間の面会に行くことはあっても、団体として組織的に入院中の患者の支援を行うという形はとっていなかった。GEMでのピアサポートの在り方は、とてもシンプルでピアサポートの原点がそこにあると考えられた。 我々が目指すピアサポートの在り方も、「Le Nouveau Cap」にあるピアサポートに近いと考えられ、「Le Nouveau Cap」の運営方針や当事者の在り方に学ぶ点が多くあった。次年度実施予定の研修内容には、フランスでのヒアリング内容も踏まえた上で、実施していく計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
海外でのピアサポートについてヒアリングをアメリカで実施する予定であったが、予定していたコーディネーターの都合がつかなくなったことにより、再計画が必要になった。 ヒアリング予定地をフランスに変更し、再度コーディネートを行ったため、本来平成28年度にヒアリングを実施する予定が、平成29年度実施に変更となった。今年度は研修プログラムを実施する予定であったが、ヒアリングした内容をプログラムに反映させた上で実施するために、研究期間を1年間延長することにした。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度これまで実施したヒアリング内容に基づき、研修プログラムの内容を確定させる。その後研修プログラムを実施し、プログラムの効果を確認する。実施後 はさらにプログラム内容を精錬し、プログラムの完成を目指す。
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Causes of Carryover |
今年度実施予定であった、研修プログラムの実施を次年度に見送ったため。次年度研修プログラムの開催費用として使用する計画である。
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