2015 Fiscal Year Research-status Report
非接触型振動センサーを用いた患者見守りシステムの開発
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15K11842
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
小山 崇 秋田大学, 医学部, 助教 (50508273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 宏 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10232464)
佐藤 紳一 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (10375305)
尾野 恭一 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70185635)
渡邊 博之 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80323145)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 非接触センサー / 心拍・呼吸 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体情報を取得するS/N比の高い適切な信号処理技術の決定・制御基板・通信端末の作成を行った。 呼吸波形の周波数は0.2Hz前後である一方で、心音の周波数は15Hz~170Hz程度と幅が広い。ゆえに適切なサンプリングレートを決定することが心音の正確な取得に欠かせない作業となる。一方で、サンプリングレートを大きくすると、ノイズが上昇するのみならず、制御基板や遠隔システムの解析能力を高くする必要があり製品の価格が上昇する可能性がある。解析ソフトウェアを開発にあたり性能と価格のバランスを考慮した適切なサンプリングレートを決定することに重点をおく必要がある。われわれは先行研究で、市販されている信号取得技術(LabChart®)で1000Hzのサンプリングレートで心拍呼吸情報が十分記録されていることを確認し、既存のセンサーと精度は同等であることを確認している。研究期間内に協力企業である日立超LSIシステムズとの共同研究によって100Hz、400Hz、1000Hzのサンプリングレートを持つ3種類のコンパクト(10cm×10cm)な制御基板を作成した上で、得られた波形を解析ソフトウェアで評価し、適切なサンプリングレートを決定した。センサーの設置位置は1箇所、2箇所、4箇所それぞれを比較検討したが、1箇所でも十分にモニタリング可能であることがわかった。試作品は既に完成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
振動センサーの設置レイアウトは既に決定し、現在は適切な信号処理技術の確認作業に入っている。 信号処理技術は適切なサンプリングレートの決定、波形分離のための周波数条件を決定するのに数ヶ月の時間を要することが予想されている。また企業と連携し、制御ユニットと通信端末の作成も同時に行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
取得生体情報に対する自動解析ソフトの開発を行っていきたい。 在・不在情報、在床時間、心音情報(1音/2音/3音/4音)、心雑音情報、心房細動情報、呼吸数や異常呼吸、心拍変動を全て自動解析できるシステムを作成していく。特に3音や4音は心不全の有無を判定する感度の高い所見であり、心不全の予知において意義のある指標である。われわれは先行研究で、本振動センサーとリットマン電子聴診器を比較検討し、3音と4音が抽出できることをすでに確認している。研究期間内に患者の背面に設置した振動センサーでこれらの心音を自動検出する方法を検討している。心音情報を分離すると確実に1音と2音が記録されることから、われわれは心電図のR波に一致する1音を選択的に抽出するプログラミングを作成し、R波の代わりに1音を解析し、周波数解析を行うと、心房細動を判別できることが明らかとなっている。また呼吸成分を解析するとチェーンストークス呼吸などの異常呼吸も鑑別することができる。自動解析するシステムを作成することによって病態把握がより可能となり、研究がより推進されることが予想される。
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Causes of Carryover |
初年度は設置レイアウトの決定と適切な信号処理技術の研究で終了した。そのためプログラミング開発のための人件費が発生しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の計画としては、まず、自動プログラミングのための解析ソフトを購入(30万円)し、残額を必要に応じてプログラミングのための人件費として検討する。
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Research Products
(5 results)