2016 Fiscal Year Research-status Report
非接触型振動センサーを用いた患者見守りシステムの開発
Project/Area Number |
15K11842
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
小山 崇 秋田大学, 医学部, 助教 (50508273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 宏 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10232464)
佐藤 紳一 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教育系補佐員 (10375305)
尾野 恭一 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70185635)
渡邊 博之 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80323145)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 非接触センサー / 心拍・呼吸 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は生体情報を適切に取得した後の、信号処理技術の確立に主眼を置いた。取得された心拍呼吸信号から臨床的に意味のある心音情報や呼吸情報を拾い上げ、加工し、それらの信号情報から異常呼吸、不整脈疾患、心不全を診断できる自動解析ソフトウエアを開発してきた。具体的には、以下の項目について開発を進めてきた。1)心音及び心雑音解析:Ⅰ音、Ⅱ音の同定及び心不全患者において聴取されるⅢ音およびⅣ音の検出を行った。これらは市販されている電子聴診器に匹敵する検出率を目標としてきた。2)不整脈検出:心拍の周波数解析により心拍の規則性を定量評価してきた。不整脈の最終診断は心電図記録によるが、心房細動(一過性心房細動を含む)のスクリーニングが可能なシステムを確立した。これらは終夜睡眠ポリグラフに付属している心電図と比較検討した。3)呼吸の質評価:呼吸信号の周波数解析による呼吸規則性評価、無呼吸、チェーンストークス呼吸、いびきの自動検出を行ってきた。4)体動評価:寝返り、体動(寝返りを伴わない体の動き)の定量的評価を行った。体動回数の自動カウントとその経時変化を記録した。これらも睡眠時無呼吸の診断に用いられるポリソムノグラフとの比較検討にて精度を確認した。5)自律神経機能評価:心拍変動、体動評価により自律神経機能評価の可能性を検討した。6)呼吸の安定性から睡眠リズムを推測できるソフトウェアの作成にも取り組んできた。これも睡眠脳波との比較検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は適切なサンプリング周波数を決定した。そして、平成28年度は得られた生体信号を臨床的に意味のあるパラメータに加工することに主眼を置いた。そのために、生体信号を解析する自動プログラミングを作成し、得られたデータを、既存の検査機器から得られたデータと比較検討してきた。また生体信号取得システムを評価キットとして製品化することに成功し、現在をそれを使用して生体信号を取得している。これら一連の作業によって、心不全、不整脈、体動情報、異常呼吸情報を非接触で、非侵襲的に取得することに近づいている。
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Strategy for Future Research Activity |
自動解析プログラムの作成と平行して、遠隔通信システムを確立させる方針である。センサーから収集されるデータを送信する通信端末ソフトウェア、クラウドサーバ通信ソフトウェア、サービスアプリケーションは共同研究者である日立のクラウド通信システムを使用する。実証実験は秋田大学医学部附属病院あるいは関連施設を考えている。まずは4ベッドを確保し、1部屋分の通信機能を確立する。それ以降は順次ベッド数を増やしていく。本転送システムを使用するにあたっては、転送する情報量が多いと、実用化に際してコストの面から問題となる。逆に、転送前に解析して結果のみを転送しようとすれば通信コストは抑えられても、1ベッドに組み込むセンサーユニットにコストがかかる。また、原波形データに埋もれた新たな情報を探り出すことができなくなる。それらのバランスを検討する作業も盛り込む予定である。
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Causes of Carryover |
平成28年度は生体信号の解析プログラムを作成することであったが、参考資料、解析ソフトウェアなど比較的低予算である程度の完成度を得ることができた。また生体信号取得のための評価キットの作成と購入に予算を使用を当てたが、比較的低予算で完成させることが可能であったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度の目標は、遠隔監視システムの確立である。遠隔管理するための予算に当てる方針である。評価キットにつなぐ、通信システム、通信ゲートウェイ、サーバー、通信費用に使用する予定である。また、4ベッドを使用しての通信を検討しているため、評価キット(生体情報取得ユニット)もさらに購入予定である。
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