2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a community-based childcare support program for children with Profound Intellectual and Multiple Disabilities
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15K11846
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田中 美央 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00405052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮坂 道夫 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30282619)
久田 満 上智大学, 総合人間科学部, 教授 (50211503)
住吉 智子 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50293238)
倉田 慶子 東邦大学, 看護学部, 助教 (90807744)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 重度障害児・者 / 育児支援 / 支援者支援 / プログラム開発 / レジリエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、当事者がもつ育児の心理的支えという概念を中心として、専門職・非専門職による地域育児支援プログラムを作成することである。昨年度が最終年度であったが、COVID-19感染拡大による影響で、研究期間の延長をやむを得ず行った。 本年度は以下の2点を目的とした。 ①当事者交流会について:昨年度ヒアリングより明らかになった、[子どもや当事者同士のつながりの場][少し先の育ちが見える支援]の2点の課題に向けて、交流会を遠隔会議システムを用いて開催した。就園と就学に焦点を当て、当事者交流会を開催し、6名が参加した。60分間の開催で2事例の紹介が行われ「継続して検討会をしたい(4.8±0.4)」という結果であった。課題として、多様な個別ニーズやテーマが話題提供されたため、検討が十分至らない内容もあった。解決に向けて共通して取り組む内容に焦点を当て、継続的に取り組む必要が明らかになった。 ②研究成果について:国内学会にて、2演題の報告を行った。全国の在宅重度障害児・者の母親326名のアンケート調査結果で、自由記載の内容分析を行った。「在宅重度障害児・者の母親の困難への対処」では、他者サポートの活用、問題解決への方策、気持ちのコントロール、子どもの状態の安定、社会の中での理解者獲得が抽出された。「在宅重度障害児・者を養育する母親の心理的支え」では、家族、仲間以外に専門職を支えとしており、専門職がケア実践と相談対応の重要な担い手になっていることを報告した。本研究の中心的概念である心理的支えとレジリエンスの関係を明らかにし、支援においても視野に入れる重要性を報告した。 なお、本研究で開発した「在宅重度障害児の親のレジリエンス尺度」は、公表以後、国内外から数件の使用許諾依頼があり、多分野でも汎用性の高い尺度として活用されており、成果を出すことができた。
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