2015 Fiscal Year Research-status Report
交替勤務者の業務上エラーのリスク要因に関する研究:職種・労働時間・睡眠との関連
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15K11859
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
影山 隆之 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (90204346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 敏生 広島大学, その他の研究科, 教授 (20251069)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 交替勤務 / 夜勤 / 睡眠不全 / 眠気 / 生活習慣 / エラー |
Outline of Annual Research Achievements |
交替勤務に就く工場労働者256人を対象に横断的な質問紙調査を行い、夜勤連続時の睡眠不全や夜勤中の眠気と関連する生活習慣を検索した。夜勤連続時の睡眠不全は加療中疾患の有無、主観的健康感、主観的な「交替勤務への慣れ」と関連していた他、頻尿、「生活時間を次のシフトに早めに合わせる」、就寝前の入浴、就寝前に画面を見ない、就寝前に飲酒しないなどの生活習慣とも関連しており、かつ職業性ストレスとも関連していた。夜勤中の眠気は、仕事の達成感の低さと関連しており、明け方の眠気は仕事の量的負荷・質的負荷・対人関係ストレスとも関連していた。夜勤前後に早出または残業をした場合には朝7~9時の眠気が通常夜勤後よりも強いことがわかり、超過勤務の問題点が示唆された。夜勤連続時の睡眠不全や夜勤中の眠気と、ヒヤリハット経験の頻度には、明瞭な関連が認められた。 これらの結果に基づく睡眠教育を工場側から要請されたので、実施計画について工場側と協議を重ね、実施の効果を検証できるような計画を立案した。次年度に実施する予定である。これを実施する中で、協力が得られた労働者に日誌法による追跡調査を依頼できないか検討する予定である。 労働現場で夜勤時のヴィジランス測定を実施する準備として、ヴィジランス測定機器および体動に基づき睡眠覚醒を測定する機器を購入し、フィージビリティ試験を開始した。さらに予備実験として、学生に二夜の模擬夜勤をさせ、上記の機器を預けて自宅でヴィジランスと睡眠を計測させる実験を計画し、開始した。ヴィジランス測定機器のバッテリーが切れやすいという問題が明らかになったので、被験者マニュアルを改良して不使用時にはスイッチを切ることを徹底することとした。この予備実験では、12時間夜勤をシミュレートし、二夜それぞれ異なる仮眠時間帯を設定して、仮眠時間帯とその後の眠気の関連を検討する予定で、実験継続中である、
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
職域集団における質問紙調査は初年度と翌年度で行う予定であったので、半分を初年度に実施できたのは予定通りである。 少数労働者における日誌法による追跡調査は計画をよく検討しなければ被験者の負担が過大となるので、直ちに協力依頼するのでなく、まず職場に睡眠教育を実施するという形で協力を依頼しやすい環境を整備しつつある。 ヴィジランス測定機器のフィージビリティテストで見えてきた課題をクリアする方策は検討できた。単なるフィージビリティテストに終わらせず意味のあるデータを取得するため、実験を継続中である。
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Strategy for Future Research Activity |
工場労働者については、睡眠教育による介入研究を実施する中で、日誌法による調査の下準備を進める。病院における質問紙調査を実施できるよう、協力病院との交渉を進める。当初より多少の時間的前後を想定して研究計画を立てていたので、これを変更する必要は認められない。
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Research Products
(1 results)