2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K11860
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
秦 さと子 (小野さと子) 大分県立看護科学大学, 看護学部, 講師 (10443897)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 嚥下反射潜時 / 運動強度 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は「嚥下反射機能を改善させる運動強度の特定と嚥下反射と血中NOとの関連を明らかにすることを目的に取り組んだ。研究実績は以下の通りである。 1.20歳代男女47名(うち、コントロール群23名)にエルゴメータを用いて、50%V(dot)O2maxの有酸素運動を30分間実施し、運動前後、運動後30分の嚥下反射潜時を測定した。その結果、コントロール群の嚥下反射潜時は、3時点での変化を認めなかったが、運動群では運動直後の嚥下反射潜時が運動前より有意に短縮した。運動中の平均運動強度は5.79±0.71METs、平均心拍数は131.20±3.49回であった。以上より、運動は嚥下反射潜時の短縮効果が期待でき、20歳代の嚥下反射に効果的な運動強度は5~6METsである可能性が示唆された。 2. 運動による嚥下反射への影響を、有酸素運動による血流量の増加に伴う血中NOの増産に起因すると仮定し、血流量を運動開始前から継続して運動後30分までと、血中NOを1と同じ3時点で測定した。その結果、血流量、血中NOに関して運動群とコントロール群で運動の前後の差を明らかにすることはできなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
嚥下反射潜時を短縮させる可能性のある運動強度と目安となる時間を実験にて確認することができた。また、現在平成28年度の研究目的実施準備に着手できている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の取り組みで、嚥下反射潜時を短縮させる可能性のある運動強度と運動時間の示唆を得た。そこで、平成28年度は、実際に健常高齢者について嚥下反射潜時短縮に効果のある運動実施の有無と実際の生活における運動強度の実態を調査し、嚥下反射潜時との関連を明らかにする。
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