2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a method for preventing age-related decline in swallowing function
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15K11860
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
秦 さと子 (小野さと子) 大分県立看護科学大学, 看護学部, 准教授 (10443897)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 加齢性 / 嚥下機能低下予防 / トレーニング方法 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度に取り組んだエルゴメータによる50%V(dot)O2maxの有酸素運動30分間(5~6METs)は、嚥下反射潜時の短縮を認めたため、平成28年度は、実際に運動習慣のある人とない人を対象に嚥下機能状態を比較した。しかし、運動習慣の有無による嚥下機能との関連は認められなかった。高齢者でも、適度な運動強度を維持しつつ、毎日取り組みやすい嚥下に直接関連する筋肉のトレーニング方法のほうが、全身運動よりも効率的であると考え、奥舌挙上運動を開発した。これに対して、平成29年度は運動強度を確認し、平成30年度には1日2回、2週間のトレーニングを高齢者に取り組んでもらった。その結果、嚥下時に発揮する舌骨上筋群の筋活動量の増加を認めた。嚥下時の舌骨上筋群の筋活動量の増加は、舌骨を前上方へ牽引させる力の増強であり、安定した気道閉鎖状態と気道閉鎖時間の維持につながるものと考えられ、誤嚥予防のために有用な訓練法である可能性が示唆された。また、奥舌挙上運動は奥舌部を軟口蓋に力いっぱい挙上し10秒間維持するものである。特殊な道具や場所などの準備は必要なく、いつでも実施可能で、どの年齢層にも実施しやすい運動である。また、ながら運動も可能であり、1日の実施回数も確保しやすいと考えられた。令和元年度は、本運動方法と効果を広く周知してもらい活用につなげるために再分析を行い、論文としてまとめ、学術誌への掲載を目標に取り組んだ。掲載決定に向け取り組みは継続中である。
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